VJC、マイアミのクルーズ・コンベンションに出展、日本ブース訪問者が増加

  • 2006年3月25日
 ビジット・ジャパン・キャンペーン事務局(VJC)は、3月12日から16日まで開催された世界最大のクルーズ・コンベンション「シートレード・シッピング・コンベンション2006に参加、日本ブースも出展した。ブース出展は04年以降、3年連続のこと。1000社以上の観光、港湾、造船、船上サービス関係者らが出展(主催者発表)する中で、VJCのほか、横浜港や神戸港などの港湾や中国地方クルーズ振興協議会のメンバーなど16人も参加し、海外クルーズ会社へのPR活動を展開した。

 VJCでは現地で記者会見を開催。クルーズイヤーとして日本市場の盛り上げる現状をアピールとともに、「北京オリンピックや上海エクスポが開催される08年から10年は、東アジアクルーズの絶好のチャンス」と、中国のみならず、日本を含む東アジアへのクローズアップを提案。また、これまでは日本側が各船会社へ訪問するケースが主体だったが、今回は海外船会社が日本ブースを訪れ、商談する場面も増えた。特に、シルバーシーのジム・バーンサイド氏、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)のジョン・ターチェック氏など、今年1月に開催した横浜でのクルーズ・シンポジウムの参加者など、各社のトップ級の訪問もあったという。


▽「21世紀はアジアクルーズの時代」

 開催2日目の14日に開催された「ステート・オブ・インダストリー」では、大手クルーズ会社や業界団体のトップが、業界の現状と展望を述べた。2005年のクルーズ市場は6隻の新造船が就航し、キャパシティが4.5%増加。クルーズ人口は12%増の1120万人と順調な伸びを示している。今後は今年6月にRCIが就航する予定の史上最大客船「フリーダム・オブ・ザ・シーズ」(16万トン)や、2009年就航予定の「ジェネシス」(22万トン級)などの話題性で、今後も大手クルーズ会社の寡占化とメガシップ化が進み、寄港地重視型から船そのものがデスティネーションとなるとの展望が述べられた。そのため、各クルーズ会社は独自のブランド開発と船上施設のさらなる充実を図っていく意向だ。
 
 また、コスタクルーズのコスタアレグラが中国市場に進出することに対して、「今後のアジア市場を占うテストケースになる」との見方が多く、注目の高さが伺える。ノルウェージャン・クルーズラインの社長コリン・ヴェイッチ氏は「潜在的な巨大市場への挑戦」と評価した。日本については日本人の海外旅行者数に対するクルーズ人口の割合が小さいこと、新デスティネーションの開発が必要であることから、有望な市場であるという認識が多く、RCIの社長アダム・ゴールドステイン氏は「21世紀はアジア・クルーズの時代」と明言した。