JAMからレポート(2)、ニュー・サウス・ウェルズと西オーストラリア州

  • 2006年3月1日
 オーストラリア政府観光局(TA)は、国そのものをブランド化するマーケティング戦略「ブランド・オーストラリア」を開始している。日本では「オーストラリア、心に響く光」というキャッチフレーズのもとに展開。オーストラリアの違う光の中で得られた経験は、永遠に記憶され、今後の生き方に影響を与えるということを表現したものだ。ジャパン・オーストラリア・ミッション(JAM)開催において、こうした動きを受けた各州観光局の方針などを聞いた。(金曜日まで連載)

2月27日 TA、ジャパン・オーストラリア・ミッション開催、活発に各社が情報交換
2月28日 JAMからレポート(1)、ノーザンテリトリーとクイーンズランドの動き


▽ニュー・サウス・ウェルズ州
 ニュー・サウス・ウェルズ州観光局局長の寺本彬氏によると、2005年の日本人渡航者数は2004年の延べ30万人と同程度になるとの見方。今後は、訪問者数の増加、特にリピーターの訪問を促すため、都市型ディスティネーションとして、「できること」を明確に打ち出す。例えば、自分の足で訪ね歩くというFIT型の旅行者の増加に対応し、日本語マップの配布で、街歩きと、街に何があるかを示す。また、FITにアプローチできる素材や情報についても、旅行会社や消費者に積極的に提供する。ディスティネーションの個性を際立たせる象徴をオーストラリアの文化と結びつけて紹介していく方針だ。


▽西オーストラリア州政府観光局
 パースとその周辺の自然景観、特にワイルドフラワーで知られる西オーストラリアの年間日本人旅行者数は約5万2000人。そのうち、旅行会社のパッケージツアーの利用者は約半分の2万5000人だ。西オーストラリア州政府観光局局長の吉沢英樹氏は、日本人訪問者の特徴として「FIT型の旅行者が多く、訪れる目的に深いテーマを持っており、『SIT型のディスティネーション』だ」と語る。こうした分析から、モチベーションを喚起する活動に重心を置く考え。
 季節毎に変わる自然素材をビジュアルを用いて印象づけし、セグメントで誘客するのではなく、テーマによるアプローチを深めていくことで、「ワイルドフラワー」に並ぶシンボルを打ち立てたいという意向。また、今年は、日豪交流年という契機を活かし、姉妹都市の活動にも力を入れている。なお、州としては兵庫県、パースは鹿児島県との姉妹都市関係にある。