JATA、デスティネーション・スペシャリストの制度改善へ

  • 2006年2月22日
 日本旅行業協会(JATA)は現在、事業展開しているデスティネーション・スペシャリスト(D/S)事業について改善を図り、D/Sの人数増を目指す。D/Sの前段の資格となるトラベル・コーディネーター(T/C)は2年間で331名、D/Sは先ごろ初年度の合格者が71名となったが、JATAでは業界の自主資格であるもののこの人数については「非常に少ない」との認識。T/C、D/Sともに取り組みやすい環境とし、最終的にはD/Sの人数増を目指す目的から、制度の枠組みの緩和を図る。また、現行では約10万円超となる費用についても低減することで、負担を軽減。個人のスキルアップというレベルで取り組みやすい金額の1万円から2万円程度で検討中だ。新制度下での運用は4月からを目指している。

 この制度緩和は、具体的には総合旅行業務取扱管理者に対してはD/Sの取得に門戸を開放する。これまでは総合旅行業務取扱管理者でもT/C取得後、D/Sへの挑戦という段取りであったが、時間、費用がかかりすぎるという意見から、緩和することとなる。また、D/S資格取得には養成講習などがほぼ義務付けられる形であったが、デスティネーションについて詳しい者もおり、資格認定試験だけを受験することも可能とする。

 また、JATAでは平成18年度事業計画において、総合旅行業務取扱管理者の資格について取得推進を盛り込む。この資格は国家資格であるが、T/Cでも旅行地理など重複する部分も多く、旅行業界の現場が一般的に「忙しい」と言われる中でも、業界独自の資格が機能するように、受講者の負担を減らす環境を作り出し、D/Sの増加に取り組む。