欧への旅行で今一度安全の再確認を、OTOA海外安全対策セミナー

  • 2006年2月14日
  日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は10日、外務省領事局海外邦人安全課課長補佐の田辺邦彦氏を講師として、安全対策セミナーを開催した。田辺氏は2000年の犯罪認知件数としてアメリカで1161万件に対し、ドイツ627万件、イギリス517万件、フランス377件、イタリア221万件、スペイン176万件、日本244万件の数値を引き合いに「人口比での犯罪発生確率は高く、ヨーロッパの旅行でも気をつける必要がある」と改めて注意を喚起。基礎的な情報として消費者に伝えるとともに、万一の場合については「大使館で出来る限りのことは対応する。旅行関係者と双方で協力し、努力していきたい」と訴えた。


 ヨーロッパでの犯罪はアジアが詐欺、賭博が多い状況と比較した場合、置き引き、スリ、引ったくりなどの瞬間的な犯罪が多い。こうした犯罪については「日本人が遇う確率が高い」と継続的に旅行者に知ってもらうことの重要性を指摘。また、最近はクレジットカード、キャッシュカードなど海外にある路上ATMで暗証番号を盗み出す事例も紹介しながら、「旅行で心を開くことと用心をすることのバランスを取って欲しい」とも語った。

 なお、外務省は現在開催されているトリノ・オリンピックに合わせ省内にはトリノ五輪連絡調整本部を開設。現地では臨時事務所を開設して、訪れる日本人旅行者をはじめとした対応を取っている。
 また、ドイツでのサッカー・ワールドカップの開催も控えている。これについては大使館、領事館などドイツ国内には5ヶ所あり、現在のところ臨時事務所など詳細は検討中。ただ、安全の手引きを作成し、配布する計画だ。