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ハワイ、今年の日本人目標は約155万人、供給加味し、経済効果に焦点

  • 2006年1月30日
 ハワイ・ツーリズム・オーソリティー(HTA)ヴァイス・プレジデントのフランク・ハーズ氏がハワイ州観光局のセミナーにあわせ来日、現況と今後の方向性などを語った。ハーズ氏は2005年について、「ハワイとしては史上最高の訪問者を記録。日本市場についても2年連続で前年増となった」と市場概況が好転している状況について満足感を示す。特に、日本市場については海外旅行のデスティネーションとして第1位となった、プロモーション「ディスカバーアロハ」がリピーターにも訴求している等などを上向きの要因と見ている。来年の目標についてハーズ氏は「155万人から156万人程度」と伸びは控えめな数値を示した。

 今年については日本市場の需要が多いワイキキのホテル客室がリノベーションを進めることから、短期的には約2000室がブロックされることで、需要としては伸びが期待できない状況。客室稼働率は年間90%台と空きは少ない。ただ、ノルウェージャンクルーズが3隻目の客船を6月から投入。日本市場に即応可能な3日から4日の旅程でネイバーアイランドを楽しめる旅行商品の投入に期待感を示す。
 航空座席の供給量についても、日本航空(JL)便の一部地域の運休等で減少。これについては航空各社の支援を行う。マッチング・ファンド形式でハワイ側で20万米ドル(約2300万円)を予算化。航空各社もハワイ側と同額の予算を用意してプロモーションを実施することで、さらにプロモーションを加速化する。現在のところ、具体的な施策は明らかになっていないが、昨年はコンチネンタル航空(CO)が名古屋市場でビジネスクラスのプロモーションを実施したような形が想定されている。

 また、ハーズ氏は2007年以降の見通しとして、「具体的な目標値は無い」としながら、クルーズ客船の就航、客室供給量は2010年まで増加するなど好材料はあるが、「訪問者数が伸びつづけるわけではない」とする訳ではないことを言明。このところ、伸びを示すウエディング、ハネムーンなどの消費額も重要な指標として活動を進める考えだ。


▽ハワイ、ロマンスと団塊・シニア層が柱、高額消費者と早期予約を訴求

 ハワイ州観光局(HTJ)は旅行業界関係者を対象にしたハワイセミナー&ワークショップ2006を開催した。この中で、HTJのエグゼクティブ・ディレクターは日本市場における昨年の状況と2006年の活動計画を発表した。昨年はウエディング及びハネムーンなどのロマンスマーケットが好調で、ウエディングは前年比20%増の5万4000人、ハネムーンは17.7%増の23万2805人。ウエディングの帯同者(平均10.4人)を含めると、日本人マーケットの3分の1を占める手堅い市場で、利益率の高い客であることをアピール。2006年の課題として高額消費客をターゲットとし、1日あたりの消費額の高いロマンスマーケットと、滞在日数の長い団塊・シニア層をメインにした商品作りを促がした。また、こうした顧客は予約も早く、旅行会社にとってもメリットが高いことを強調。一方で、今年は日本/ホノルル線の運休・減便など供給の減少に加え、ホテルの稼動率が高まっている現状もある。予約が早いアメリカ本土の動きに対応するためにも、早期予約の必要性を訴え、4月、9月、11月のショルダーシーズンのプロモーションなどを提案した。

 また、セールスマネージャーの塚本佳子氏は「テーマ性のあるハワイ旅行」作りを提案。SITをさらに掘り下げ、主要テーマとして「フラ」、「ヒストリ&アート」、「ロマンス」、「ウォーキング&ランニング」の4つのカテゴリーを選び、商品素材の提案と最新情報を提供する冊子を作成した。