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SLH、スリランカの個性派2軒のホテルが日本マーケットに積極化

  • 2005年12月14日
 スモール・ラクシャリー・ホテルズ(SLH)に加盟するスリランカの「ザ・ビーチ・ニゴンボ」、「ライトハウス・ホテル&スパ」は日本からの宿泊客増加に向けて認知拡大を目指す。SLH加盟ホテルは世界57ヶ国に約330軒で、ほとんどが独立系高級ホテルの集まり。日本人の利用者は、クレジットカードのプラチナ、ブラックなど、高額所得者層の利用が大半を占めるほか、近年は旅慣れた20代の女性旅行者も徐々に増えつつある。SLHではメディアを通し、日本の旅行会社に対するSLHに加盟するスリランカのリゾート・ホテルの認知向上、日本人宿泊客の需要喚起を進め、特にスリランカの2ホテルは積極的に日本からの旅行客を促進する。

▽ザ・ビーチ・ニゴンボ
 ザ・ビーチ・ニゴンボは、今年8月1日にSLHに加盟。昨年12月には200万米ドル(約2億4000万円)の予算でホテル全体のリノベーションを実施。施設では、これまでカラオケ・バーであった場所をファイン・ダイニングに変更、新たにスパを設置した。ホテルスタッフへのトレーニングも積極化するなど、SLH加盟ホテルとしてふさわしいサービスの提供を目指す。最大の売りは、バンダーラナーヤカ国際空港から15分と立地が良く、スリランカで唯一、バスタブから海が見えること。富裕層をはじめ、心身の美に関心ある女性客に強くアピールし、宿泊客の取り込みを図る。

 ホテルの客室はスイートが3室、リラックスルームが72部屋の合計75室。デラックス・ルームの客室面積は46平方メートルをもつ。ホテルの稼働率はリノベーション後の約1年間は平均65%を記録、ピークシーズンは70%を超える。宿泊客はリノベーションによるホテルのアップグレードと共に富裕層に移行しており、国別ではイギリス80%、ドイツ5%、オランダ5%、スウェーデン2%とヨーロッパからの訪問者がほとんど。セールス・マネージャのインディラ・ヘッティアラッチ氏は、「目標の稼働率は75%ほど。これ以上の場合は宿泊客に満足してもらえる快適な滞在を提供できない。敢えてこの数字に設定し、高い満足度を提供している」という。日本からの訪問者については、「旅行会社も含め、スリランカにホテル内でゆったりと楽しむリゾートの存在が知られていない。まずはスリランカがリゾート・デスティネーションであること、そして中でもSLHに加盟する質の高いホテルが『ニゴンボ』に存在することを知ってもらい、足を運んで頂きたい」と、マーケット拡大に向けた思いを語る。

▽ライトハウス・ホテル&スパ
 一方、スリランカの南西部のゴールにある「ライトハウス・ホテル&スパ」もまた、日本マーケットに積極的だ。ここはSLH加盟ホテルの中でも顧客からの評価が高く、世界から支持を受けるスリランカを代表する建築家、ジェフリー・バワの最高傑作として知られる。ホテルの建築に加え、客室の家具、バスローブ、スタッフのユニフォームまでをデザインする、こだわりのある高級ホテルだ。
 ホテルは海の断崖に立つ。スマトラ島沖地震・津波では、ホテルに何ら影響を受けなかったものの、ビーチに近いスパ、およびその横のプールは波を被った。ただし、今年4月には改装を終了し、営業を再開。近郊のゴール市への交通をはじめ、世界遺産のゴール旧市街も移動での問題はなく、ホテルの滞在と観光を楽しめる状態にある。

 ジェネラル・マネージャのサンジバ・ガウンタマダサ氏は、「スリランカはここ5、6年で高級リゾートができ、FITの富裕層のマーケットが育ち、訪れていただいている。ライトハウス・ホテル&スパには、ヨーロッパを中心に、世界各地からホテル滞在を目的とした宿泊客が訪れる」という。ゴールの自然を最大限に引き出すバワの建築に加え、スリランカ人のGMを筆頭としたスリランカ人のフレンドリーなホスピタリティ、ホテルでクリーニングのサービスをはじめ、地元の食材を使用した料理を提供するなど、きめ細かいあたたかみあるサービスを手掛け、大手ホテルチェーンと異なる魅力で勝負する。
 客室は全63室。うち3室がオランダ、中国、アラビアをテーマとしたスイート・ルームを設置。客室面積はデラックス・ルームで56平方メートルの広さをもつ。昨年の平均稼働率は63%で、12月から4月のピークシーズンは94%だ。宿泊客の構成は約65%が英国、次いでドイツ。「宿泊客には、滞在者が少ない状況を好む方も多い。ピークシーズンの稼働率はベストとは言えない」とサンジバ氏。ゴールは二ゴンボと同様に4月から6月、10月、11月と雨季となるが、夜など一時に集中して雨が降ることから、「雨期も含めて年間を通して滞在を楽しめる」と強調。サンジバ氏は現状、「日本からの宿泊者の数は少ない」とするものの、「新たなマーケットの開拓が必要。日本からは特に、20代、30代の旅慣れた女性グループにも注目したい」という。

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 さらに、両ホテルは共にホテルの滞在を豊かにする、アクティビティが豊富にそろう。スリランカのアーユルヴェーダやスパは、日本の女性誌でもリゾート特集で組まれるなど、注目を浴びつつあり、ホテル側も施設の充実をアピールしている。ホテル運営をするジェット・ウィングはホテル業を柱に、旅行会社など旅行関連業に従事することから、ホテル内のスパをはじめ、系列のアーユルヴェーダ施設、スリランカの大自然に触れられるエコ・ツアーなどの多種多様な種類をそろえ、宿泊客の滞在がより充実するための演出に力を入れている。