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外務省、危険情報は冷静に判断、鳥インフルはWHO勧告に基づく対応

  • 2005年12月12日
 外務省領事局海外法人安全課長の斎藤法雄氏は、日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)が主催する安全対策セミナーの席上で、危険情報の発出の考え方について、テロが発生した場合に即、渡航是非の検討とするわけではないとの方針を改めて示した。これは先ごろ、バリ島での爆破事件の際、スポット情報で対応をしたものだが、斎藤氏は「ロンドンでも、マドリッドでも発生している。一端、テロを契機として『渡航の是非』を発出すると、引き下げが難しい」とし、こうした姿勢に反論があるものの、感覚的な判断ではなく、冷静な判断を行うとした。


 また、この冬に大流行が懸念されている鳥インフルエンザによる渡航情報の発出について、「SARS発生時と同様、世界保健機構(WHO)の勧告に基づいた対応を行う」と明言。ただし、「都市から離れた農村で発生した場合、国、または地域全体に渡航の是非を発出する訳ではない」とし、テロと同様に見極めが必要との考えを示した。
 同時に、既に在外公館用に「日本人の海外駐在や旅行者向けに、タミフル確保の指示を出した」とし、対応が可能な人数について明らかにはしなかったものの、流行が懸念されている地域での早急な対処が可能な準備を進めていることを明らかにした。また、タミフルについては、専門家との意見交換から「あくまで死に至らないようにする薬」という認識で、この薬の確保だけでなく、地域別に治療対応が可能な病院の情報を整理すること、さらに国毎の状況について情報提供することが重要との考えから、万一に備えた対応と予防策とをバランス良く行う考えだ。