JATA調査、10月から12月の海外PKG予約は出足鈍く、北米・欧は順調

  • 2005年10月18日
 日本旅行業協会(JATA)はこのほど10月から12月の海外パッケージツアーの予約状況について大手5社に調査、全方面で3ヶ月間ともに前年比を下回るやや出足の鈍い状況だ。ただし、方面別ではアメリカ・カナダが10月から12月まで4.4%増から19.0%増と今年に入り好調な推移を継続しているほか、ヨーロッパが10月、11月と13.6%増、9.0%増と順調な出足だ。北米については、これまで不調であった米本土の回復が引き続き堅調に推移していることを見せ付けたほか、ヨーロッパ方面では価格が高い時期を避け、比較的値頃感のある時期の旅行が顕著になったことが考えられる。なお、12月については北米を除き、方面別に10%減から45%減とばらつきがあるものの、昨年と比較して日並びが良くないことも一因になっているようだ。
 また、10月にはバリでの事件が合ったが、アジア地域が押しなべて予約の進み具合が鈍い。10月は前年比12.7%減、11月が11.4%減、12月が18.0%減と総じて弱含みで、テロなどへの不安要素も現状は大きな要因、また一段と間際の予約へシフトしていると思われる。なお、中国については10月が39.1%減、11月が34.6%減、12月が45.8%減とデモの影響を払拭し切れておらず、首相の靖国参拝問題に関連した今後の政治状況、デモなどの懸念材料があり、予断を許さない状況。

 なお、7月から9月については概ね堅調に推移。7月は0.8%増、8月0.6%増、9月1.9%減。主要50社のパッケージツアーの取扱額は7月が前年比2.6%減の640億344万9000円、8月は3.0%減の935億2166万2000円と発表されているが、5社平均ではこれを上回る状況だ。方面別では7月、8月がアメリカ・カナダ、ハワイ、グアム・サイパン、ヨーロッパと前年増を記録、9月はアメリカ・カナダ、ハワイが好調だ。なお、月別の予約状況、実績比は下記の通り。

▽10月、11月、12月の前年比予約状況
アメリカ・カナダ/4.4%増/19.0%増/13.3%増
ハワイ/9.6%減/13.0%減/14.7%減
グアム・サイパン/14.4%減/12.8%減/23.7%減
ヨーロッパ/13.6%増/9.0%増/12.6%減
オセアニア/9.0%減/11.2%減/9.9%減
アジア/12.7%減/11.4%減/18.0%減
中国/39.1%減/34.6%減/43.8%減
全方面計/5.6%減/5.1%減/12.5%減

▽7月、8月、9月の前年実績比
アメリカ・カナダ/12.4%増/30.1%増/3.7%増
ハワイ/3.6%増/3.5%増/9.0%増
グアム・サイパン/18.5%増/22.7%増/3.6%減
ヨーロッパ/8.6%増/12.4%増/4.8%減
オセアニア/3.3%減/2.2%減/6.2%減
アジア/4.5%減/5.5%減/3.6%減
中国/46.9%減/45.2%減/30.5%減
全方面計/0.8%増/0.6%増/1.9%減