香港、交流年で留学目的の多様化めざす、来年の旅行年はステップの年

  • 2005年9月28日
 香港経済貿易代表部、香港政府観光局(HKTB)は「香港/日本交流年2005」事業として、来週末の10月15日から開催されるイベントをハイライトとして日本と香港間の交流を促進する。15日に東京で日本/香港の両大学関係者がシンポジウムを開催、ファッションから科学技術、教育観や仕事観などについて話し合う。16日には横浜において香港で人気を集めるイベント「セダンチェア」レースを開催。また、17日から香港映画祭を月末まで開催する予定だ。
 香港経済貿易代表部主席代表の方志偉(フォン・チーウェイ)氏は「現在の日本/香港間の留学目的はそれぞれの語学習得が主。交流活動で語学だけでなく専門的な知識についても学んで頂きたい」と語り、双方向の留学による交流促進を強調する。香港への留学するメリットとして、「中国大陸の大学とも提携しており、中国のビジネス習慣と西洋のシステムを同時に学ぶことが出来るビジネススクールは室が高い」などと語り、こうした教育分野を活発にすることで、日本/中国の橋渡し、さらに日本と香港の発展につながるとの考えを示した。

▽来年は香港旅行年、07年は返還10周年
 HKTB日本・韓国地区局長の加納國雄氏は「今年の日港交流年2005、さらに2006年の香港旅行年、2007年の中国返還10周年へ向かい需要を盛り上げ、返還前の日本人訪問者数である230万人を達成したい」と今回のイベントを契機に、香港旅行年をステップとし、返還10周年へ向け香港への旅行需要の盛り上がりに期待する。
 香港への日本人訪問者数は今年、1月から7月までの累計では17.0%増の67万3365人で、加納氏は最終的に8.7%増の122万人超を予測。2006年は香港旅行年(Discover Hong Kong Year 2006)として、恒例のウィンターフェスタ、「Best of the Best香港料理」などのプロモーションから連続的に香港への旅行を促進する。
 プロモーションで強化するセグメントは、これまで香港への訪問者層の主力としてきたOL層だけでなくターゲットを拡げる方向。ファミリー、ビジネストラベルなどを強化する。特に、ファミリーについては香港ディズニーランド、自然のある香港の魅力を訴求していく。これは、先ごろ開業したディズニーランドを皮切りとして、続々と観光施設が開業することを受けたもの。新界と深センの間に位置するディープベイには野鳥などの観察が出来る湿地帯に「香港ウェットランド・パーク」、全長5.7キロメートルとアジアで最長のケーブルカー「ゴンピン360」が来年初頭にはそれぞれ開業する。また、香港国際空港近くには7万平方メートル超の敷地にコンベンション、展示会、会議、イベントなど多目的利用が可能な「アジアワールド・エキスポ」が開業する。こうした新施設の開業も睨みながら、客層の幅を広げ、旅行目的を客層別に提示することで、需要の取り込みを目指す。