STB、シニア向けPKG展開で世界自然遺産フィヨルド地方の可能性を紹介

  • 2005年9月28日
 スカンジナビア政府観光局(STB)はこのほど、「スカンジナビアセミナー2005」を開催、今年7月に世界自然遺産に登録されたノルウェー・フィヨルド地方がシニア向けの高額パッケージ商品展開に大きな可能性があることを調査資料を交え、紹介した。現在、ノルウェーの日本人宿泊者数は5月に単月で過去最高を記録し、夏に伸び悩んだが9月も過去最高の勢いで好調に推移。特に、STBマーケティング部部長の宮本拓氏によると「フィヨルドと3首都を組み合わせた商品が良く売れている」という。スカンジナビアへの日本人訪問者数は年間約10万人程の市場規模だが、宮本氏はフィヨルドを加えることで「20万人程度のポテンシャルはある」と強気の姿勢を見せる。

 STBが実施した調査は、今年6月中旬から8月中旬にかけてフィヨルド地方のホテルで実施したサンプル数556を基にしたもの。このうち、年齢構成としてシニア層が多く、60歳以上が57%、50歳以上を含むと79%にのぼり、パッケージツアーの利用率は98%。また、旅行を決めたきっかけは旅行会社からのすすめが36%、口コミが24%、ガイドブックを含むメディアからは30%と、PKG利用率、デスティネーションの決定過程において、旅行会社の販売力が大きな原動力となっている。
 さらに、商品選択の決め手はルート65%、価格25%、設定日などのタイミングが42%と、複数回答のでも商品内容と設定日が重要。購入単価についても、40万円台が40%、50万円以上が24%となり、高単価、かつ価格にこだわらない姿が描き出されている。フィヨルド地区の満足度も97%という高い数値を記録しており、宮本氏は「行程を重視したコースなら、価格に左右されない販売を伸ばすポテンシャルがある」と強調している。

 こうした動向を踏まえ、STBは10月3日からサイトを全面リニューアルし、情報量を拡充。同時に旅行業界向けサイトでは、デジタルカタログ「E Book」を利用して資料を提供する。「E Book」はカウンターにおいても、消費者へ資料として印刷することが可能で、商品造成や販売面の利便性を高めることで、フィヨルド地方を含めた販売促進を行う方針だ。