ハワイ、8月の日本人訪問者減少も予想の範囲内、HTJは好調との認識

  • 2005年9月26日
 ハワイ州産業経済開発局(DBEDT)によると、8月の日本人訪問者数は前年比1.4%減の14万2945人と8ヶ月ぶりの減少となった。日本発の航空座席供給量は1.0%増の18万4468席であったが、ホテル供給量についてはリノベーションで減少していることに加え、アメリカ本土からの大型コンベンションが3件開催され、日本市場へのホテルが確保できなかったことが、減少の大きな要因と想定される。減少についてハワイ州観光局(HTJ)は冷静で、現在の動向は想定の範囲内にあり、「引き続き日本市場は好調」(HTJエグゼクティブ・ディレクター一倉隆氏)との認識を示す。

 コンベンションの開催により、ハワイ州全体の訪問者数としては8月単月で69万2254人と過去最高を記録。3件全体で約2万人近くが訪問しており、コンベンションで州全体の訪問者を増加した格好だ。ホスピタリティ・アドバイザーズLLCハワイ・ホテル・フラッシュ・レポートによると、7月の動向ではあるが、ハワイ州全体のホテル稼働率は昨年から2.1%ポイント増の88.3%で稼動。全カテゴリーが80%後半で推移する中、特にパッケージツアーなどで利用する高級(UPSCALE)ホテルの稼動が90.9%を記録している。オアフ島全体のホテル稼働率は92.7%で、高級ホテルについては94.7%とほぼ満室の状況で推移しているのが現状だ。これにコンベンションで部屋がブロックされていたことから、需給バランスが日本市場については崩れ、航空座席が若干増加したものの、これに追いつく結果とはならなかった。

 ただし、HTJでは明るい見方も示している。例えば、滞在先別はホテルが0.5%減の12万5133人、コンドミニアムは8.9%増の1万7802人と増加。訪問の目的別ではハネムーンや挙式の来島者が増加傾向にあることだ。8月単月のハネムーンは10.0%減の7298人、挙式は3460人(前年統計無し)と上述の状況から減少しているものの、1月からの累計ではハネムーンが24.0%増の13万6459人、挙式は5万7656人(前年統計無し)と好調だ。
 これらの状況は、コンドミニアムへの転換という供給側の方針もあるが、顧客の動きとしても数値として動き始めていることから、HTJとしても旅行会社に働きかけたい考え。また、ハネムーン・挙式などのセグメントについては「現地での消費額も大きく、旅行会社としても利幅の大きい質の高い商品の販売、早期予約を促すことが可能」として積極的な取組みをしているところだ。
 なお、主な数値は下記のとおり。

▽8月のハワイへの日本人訪問者数データ
・日本人訪問者数/14万2945人(1.4%減)
    オアフ島/13万4530人(0.2%増)
    ハワイ島/2万3680人(1.1%減)
・滞在形式
   ホテル滞在/12万5133人(0.5%減)
  ンドミニアム/1万7802人(8.9%増)

・旅行目的
    レジャー/13万6415人(0.8%減)
   ハネムーン/7298人(10.0%減)
      挙式/3460人(前年統計無し)
      MICE/3361人(53.7%増)※インセンティブが増加
・リピーター比率/68.7%