MVA、追加予算の内訳を説明、調査結果はPKG価格引き上げに好意的

  • 2005年9月22日
 マリアナ政府観光局(MVA)日本事務所マネージング・ディレクターの早瀬陽一氏は、先ごろ発表されたJALウェイズの撤退を受け、連邦政府が承認した100万米ドル(約1億円)の追加予算の目的と内訳、また、市場調査を基にした2006年度のマーケティング・プランを説明した。
 追加予算は日本と北マリアナ諸島間の座席数の増加を目的として承認された特別予算。航空会社と旅行会社に対するインセンティブ・プラン、新規に就航する関西発路線に付随するイベント、キャンペーン、ブローシャー・サポート、市場調査、テレビ番組とのタイアップなどデスティネーション・プロモーションに投入する。

 また、市場調査は北マリアナ諸島におけるデスティネーションとしての長所と短所の見極め、パッケージ商品の適正価格を探り、実際に旅行した人の満足度、旅行者が期待するデスティネーションの改善ポイントを調べる目的で既に実施。北マリアナ諸島、日本それぞれにおいて7月から8月の6週間にわたり、調査した。調査の方法として、インターネット、グループ・インタビュー、サイパン空港での出口調査が用いられた。
 市場調査の結果として、北マリアナ諸島の観光地の強みは、便利なアクセス、マリン・アクティビティ、安価な旅行代金の順となり、改善を期待するインフラは、ショッピング施設、飲料施設、宿泊施設の順の回答となった。
 パッケージ商品の適正価格については、出口調査でサイパンを訪れた日本人旅行客76%がサイパンの旅に満足し、「もう少しツアーの金額を支払っても良かった」と回答。具体的には70%以上の日本人旅行客が「1万円以下の追加料金を支払ってもよかった」と回答している。JALウェイズ(JO)が日本/サイパン間を撤退した背景は、安価なパッケージ・ツアーが流通したことによる路線の利益率の低下が主な原因と指摘されている。一方で現在、日本/サイパン間の座席数の増加を緊急な課題としている中、この適正価格の調査の結果は、イールドの向上、すなわちパッケージ・ツアーの流通価格を引き上げるには、前向きな結果となった。
 この市場調査の結果を受け、MVAでは来年度のマーケティング活動の目標を四つに設定。(1)日本からサイパン間の供給座席数の増加、(2)新たなキー・メッセージを使用し、旅行需要を活性化、(3)現状以上に高価格でパッケージ商品を販売するため、イメージをアップグレード、(4)新たに設定する市場をターゲットとして、マーケティング・プログラムを展開、を遂行する。
 これらを着実に達成するために、緊急追加予算の的確な活用、業界・消費者向けに広告や広報などで継続的なマーケティング活動を展開するとし、全てのビジネスパートナーに利益がもたらされる市場作りを目指す。