TIA、日本市場回復は順調、アメリカの「一番」を切手から魅力を訴え

  • 2005年9月15日
 全米旅行産業協会(TIA)マーケティング担当シニア・バイス・プレジデントのベッツイ・オルーク氏がこのほど来日、最近動向や来年のプロモーション計画を語った。このところ、アメリカへの日本人訪問者数は回復傾向にあり、2004年は03年比で18%増、今年も現在までは4.0%増でオルーク氏は希望を込めた予測として「7%増となる400万人台」と見込む。英国をはじめ、カナダ、メキシコ、ブラジルなどは2000年レベルに回復しており、日本市場の回復は「インターナショナル・マーケットとして第2位となる国として、ビジネスのつながり、文化的な興味は高い」ことから「驚きはない」という。こうした状況はアメリカ商務省がビザ・ウェーバー国に対するバイオメトリック・パスポート適用を2006年10月末まで延期したことも「良いニュースになる」と語り、アメリカの旅行産業として「日本からの旅行者を迎え入れることは最も重視すべきこと」と言い切る。

 このところ、アメリカを取り巻く日本の旅行業界の関心事は、商務省が日本向けに確保した予算について。先ごろ、商務省の担当者が来日し、予算執行に向けて日本の旅行業界からヒアリングを行っていたが、概ねテレビコマーシャルで費やされると言われている。この予算は300万ドル弱(約3億円強)と見られ、イギリスで展開したプロモーションと同じく、映画のワンシーンをつなぎ合わせ、現地へ訪れる意欲を誘うものとなりそう。これについて、オルーク氏は「TIAとしては州政府をはじめ、市、企業が商務省の予算に呼応して参加する意志を示しており、メディアや旅行会社を対象とするファムツアーのコーディネーションをする」と役割を明言。商務省のプロモーション案は決定ではないものの、新たな旅程を作る場合について、下見となるFAM等をサポートする。

▽来年は「アメリカの一番」、切手を通じて魅力伝える
 また、来年は全世界を対象としたプロモーションのテーマに、「Wonders of America」と題して、米国郵政公社(US Postal Service)と共同で切手を通じてアメリカの魅力を訴える。これは切手40枚をセットとして、アメリカ国内で「一番」を誇るデスティネーションを紹介するもの。アメリカで最も大きい、長い、小さい、または幅広いなどを選び、それらを切手に描く。来年5月30日に発行する予定だが、キャンペーンとしてはこれを前に展開する計画。
 このプロモーションについて、「これまでアメリカが展開してきたバイウエイ、ナショナル・パークスの延長線にあるキャンペーン」(オルーク氏)で、フライ&ドライブを一段と促進することが期待される。TIAとしても旅行会社のツアーを意識し、切手で取り上げる40のデスティネーションを旅程が組みやすい4つから5つ程度を任意に組み、ツアーとして紹介する。また、切手に利用するデザインをポスターなどに利用するほか、トレードショーなどでも積極的に利用する計画だ。

▽トラベル・ライターズ・アワード
 昨年、1年間でアメリカについて最も優秀なアメリカ旅行に関する記事について表彰するトラベル・ライターズ・アワードは『American road story-アメリカの魂にふれる旅』の東理夫氏に贈られた。今回は第4回目で応募作品数は22件。東氏は受賞について、「団塊世代はアメリカが大好き」などと語り、今後のシニア層が若い頃に憧れた旅をこれから実現していく持論を披露した。