シャングリ・ラ、好業績・アジア旅行熱を背景に中国、欧米へ積極進出

  • 2005年8月31日
 シャングリ・ラ・ホテルズ&リゾーツCEOのマーティン・ヴェクター氏が来日し、同グループの現況と今後のグローバル展開について語った。シャングリ・ラ・グループ全体の2004年は、総売上高が前年比40.6%増の約11億米ドル、連結営業利益が前年比94.6%増の約1億4150万米ドルと大幅な増収増益を達成した。さらに2005年1月から7月についても、平均専有客室単価が前年比15%増で113.3米ドル、RevPAR(客室あたりの売上平均)が16%増の79.8米ドルと客室ベースでは続伸している。特にRevPARの伸びについて、ヴェクター氏は「2001年からの苦しい時期でも、ロビー改修などに総額3億米ドルの投資を行ってきた。今後にも自信をもっている」と話す。
 今後、2008年までに35軒の営業を予定している中国、およびインド、欧州、北米を積極的なエリアとして、全世界で80から90軒を展開する。インドでは今年中に初めてのシャングリ・ラ・ホテル・ニューデリーがオープン、2008年にバンクーバー、2009年にロンドンにシャングリ・ラ・ホテルをオープンさせる。ヴェクター氏は「1960年代にヒルトンホテルが世界進出したように、シャングリ・ラは今、アジアの旅行者と共に世界展開をする時期」とアジアでの知名度の高さを武器に世界進出の好機であると強調する。ロンドン、フランクフルトはリース契約によって、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルスではリースか直接的に不動産を保有して運営する計画だ。なお、日本への進出については、東京と大阪がリストにあるが具体的なプロジェクトは進行していない。コスト高が最大の障壁で、慎重に進出先を模索する意向だ。

▽氣の人気でリゾートを積極展開へ
 今年6月にオープンしたシャングリ・ラ・マクタン・アイランド・リゾート・セブのスパ「CHI(氣)」は、カップルのためのプライベート・ヴィラなど快適な空間として人気が高い。こうした状況を受け、スパ「CHI(氣)」型のリゾートも2008年末までに10軒以上に増やしていく計画だ。