台湾、教育旅行セミナーで訪問者増に向けアピール、VJCも交流拡大を期待

  • 2005年7月22日
 台湾観光協会は22日、都内で台湾教育旅行セミナーを開催、50名を超える主に高等学校の教育旅行担当教員が参加した。近年、日本から台湾へ教育旅行で訪れる学生数は3000名超で、増加の傾向にある。台北駐日経済文化代表處副代表の陳鴻基氏は「毎年約190万人が日台間を往来しているが、10代の訪台日本人はまだ少ない。日本の若者が台湾を理解するよい機会になる」と、教育旅行の誘致に対する意義を語る。
 台湾を教育旅行で選定するメリットは、日本からの距離の近さ、欧米のデスティネーションと比べて安価な旅費、親日家が多いこと。また、台湾政府からの助成金制度があり、学校交流を受け入れる現地の学校数は約350校と多く、交流を希望する場合、各校のニーズに合った現地の学校が選択できる。さらに、学校訪問を含め、歴史探訪、産業実地見学・体験など、教育旅行で組み込みたい素材も豊富だ。2006年完成予定の台北、高雄間の新幹線が開通後は、台北高雄周辺にある観光素材を効率よく観光することができ、教育旅行における多様な旅程、細かな手配が可能となることに期待もできる。
 台湾観光協会東京事務所副所長の陳淑華氏は「これからもセミナーや、日本の教育関係者を連れての視察旅行、台湾で行われる日本と台湾の教員が集うシンポジウムなどを通して、日本人の教育旅行者数を順調に伸ばしていきたい」と、昨年より増加の一途をたどる訪台日本人数の現状を踏まえ、意欲的だ。また「100万人カウントダウンキャンペーンにおいて、教育旅行で訪台した学生が当選する光景も見たい」などと、教育旅行の促進も訪台日本人者数100万人の目標を達成する重要な要素として捉えているようだ。

 こうした台湾側の積極的な姿勢を踏まえ、台湾への教育旅行の取扱数が最も多いジェイティービーの営業企画本部教育旅行営業部長の上田裕氏によると、2002年は21件、2003年10件、2004年が27件。今後については、「現地のオペレーターとの連携を強め、教育旅行のデスティネーションとして取扱を伸ばしたい」と強化する方向を語る。
 また、ビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部事務局の青山秀氏は「教育旅行で日本側の学校に交流をしてもらうことで、日本に興味を持ち訪日する台湾人が増えること」に期待する。こうした事から、セミナーに参加した教員に向けて、訪日台湾人学生の受け入れの協力を呼びかけた。また、VJC実施本部は9月10日、都ホテルで台湾からの教育関係者80名、日本の教育関係者30名を招待し、「2005年日台教育旅行交流セミナー(仮称)」を実施する。「教育旅行」の更なる促進を図るとともに、今後の若年層を対象とした訪日旅行者の需要開拓やリピーターの創出する計画だ。