関空、5月の国際線日本人旅客は前年割れ、関西方面に反日の影響が色濃く

  • 2005年6月17日
 関西国際空港によると、5月の航空旅客数は前年比7%増の129万5543人、このうち国際線が前年比微増で84万9400人、国内線は23%増の44万6143人であった。国際線旅客便の発着回数は1%増の4981回。なお、PFSCベースで6月12日現在のところ、国際線旅客数は3%増で推移している。国内線は札幌線、沖縄線が好調に集客している。
 関西国際空港副社長の平野忠邦氏によると、国際線旅客は日本人出国者数で反日デモの影響で14ヶ月ぶりに対前年比割れとなったが、外国人出国者数は愛・地球博やビザ免除の効果から前年増と好調、全体での増加基調がかろうじて継続した。

 平野氏が関西の旅行会社に6月以降の予約状況についてヒアリングしたところ、特に中国路線を中心に厳しい状況が生じているようだ。好調なデスティネーションは北米、ヨーロッパ、台湾など、若干不調なのはハワイ、グアム、不調は韓国、香港、東南アジア、オセアニア、中国はこの中で絶不調との認識。また、中国線は頼みの綱のビジネス旅客も弱含み。ただし、好不調の中身はまだら模様のようで、個別にホーチーミン線、杭州線などは上々に推移している。
 平野氏は中国方面について、「5月のゴールデンウィークは様子見、6月についてはキャンセル料の適用時期に入る前のキャンセルに戻りは少なく、7月の間際予約が期待されている状況」と紹介。関西市場では「驚くような値段の商品を投入しても売れない」として値段の問題ではなく、安全性へのこだわりが重視されているとの見方を示す。消費者は旅行の先送り、台湾、沖縄などに方面を変更する動向から、「上期全体の関空の旅客動向に影響を与える」との考えを示した。
 この対応策として、関空では現在、中国国家旅遊局、日系・中国系航空各社、日本旅行業協会(JATA)などと旅行促進イベントを計画中。ただし、8月15日までは動向を注視する考えで、この後に旅行会社を含めたイベントを実施する予定だ。