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観光白書、17年度はVJCの高度化などを強調、国内宿泊数は2泊を割る

  • 2005年6月14日
 国土交通省は「平成16年度観光の状況、平成17年度観光状況」、いわゆる平成17年版観光白書を取りまとめ、閣議決定された。平成16年度については政府が取り組むビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の施策により、初めて600万人を超す614万人を記録。このうち7割がアジアからの旅行者(421万人)、そのうちの8割が韓国(159万人)、台湾(108万人)、中国(62万人)、香港(30万人)だ。また、VJCは今後、2010年までに1000万人の達成を目指し、施策を展開するが、白書ではこれまでの傾向では伸びが緩やかであることから、VJCの高度化による1000万人の達成を実現するロードマップも盛り込んだ。
 観光の現状では、国民一人当たりの国内宿泊観光旅行回数、宿泊数は引き続き減少する傾向で、回数は2泊を割込む1.92泊、回数は昨年の1.28回から1.18回となった。また、海外旅行については、SARSの反動、円高の進行、韓流ブームなどでV字回復。旅行関連消費支出は前年比6.3%増の13万2815円となった。
 また、17年度観光政策では今年の目標である700万人の達成に向けたVJCの高度化でオーストラリア、カナダ、タイ、シンガポールを重点市場へ加えたほか、中国、韓国、台湾などへのビザ緩和措置の推進、愛・地球博や中部空港を利用した観光PR、市場別の旅行商品の造成の働きかけをインバウンドで展開。国内観光地については国際競争力の向上を目指し、観光ルネサンス事業等での観光地の整備、外国人旅行の円滑化、観光カリスマ塾の開催などで人材育成などを行う。