ランデブーカナダ、カナダの見本市を開催、目標の50万人は実現可能

  • 2005年5月8日
<カナダ・サスカトゥーン:宮田麻未> カナダ最大の観光関係のマーケット・プレイス「第29回ランデブー・カナダ(RVC)」がサスカチュワン州最大の都市サスカトゥーンで、5月7日から11日までの日程で開催されている。各州の観光局、ホテル、バス会社、国立公園の管理局など、カナダ・ツアーを構成する「要素」を提供する業者が一同に会する。参加者の総数は最終的なレジストレーションが終了する9日まで発表されないが、米国で催されているパウワウと日にちが重なるなどのマイナス要素があったため、昨年の参加者数(約1500名)をバイヤー、セラーとも一割程度下回る見通し。
 このRVC会期中、カナダ観光局(CTC)日本代表のサイモン・ピット氏は、「昨年発表した2005年の目標送客50万人は実現可能と考えており、今の段階では修正の必要はない」と語った。2004年の日本からカナダへの訪問者数は41万4千人。これに対し、今年は1月が昨年比で20%増、2月は10%増で平均15%増と、今後も順調な伸びが予想されている。

 RVC会場では、中国や台湾、韓国などからのバイヤーが積極的にセラーのブースを周る姿が目立つ一方、バンクーバーやトロントから日本市場の関係者が15名参加しているものの、日本から直接参加したバイヤーは3名。セラーの意気込みが中国や韓国に傾きがちな感は否めない。しかし、ピット氏は「カナダにとって日本の重要度は全く変わらない。ただ、日本市場は何か重要なことが起きると回復が世界の国々に比べ、遅いことは言える」と指摘し、日本からの送客数を安定させることが重要であることを強調した。
 ピット氏は「日本の旅行マーケットは非常に洗練されている。ツアー内容も、くわしい情報が提供されている」として、他のアジア市場との大きな違いと分析。カナダに興味を持つ日本人は、質の高さや付加価値の高さを求める層と、手ごろな価格を重視する消費者との両方がいるとし、CTCはそのどちらにもアピールするキャンペーンを進めていく。特に今年は、昨年から打ち出す基本テーマ「エンリッチ・ユア・ライフ」を具現化したマーケティング・キャンペーンやツアー・サポートなどを強化していく予定だ。
 また、今後のツアー内容についても「雄大な景色を眺めるだけでなく、そこで何かを体験するというものが増えてくる。トレッキングのツアーがその典型的な例」と変化を予想。日本からの送客数の増加に最も寄与する有効な策は、航空路線のインフラを整えることとして、今年から大西洋地域に乗り入れたノースウエスト航空(NW)の動きを歓迎。「送客のキャパシティを増やすことがまず大切。エア・カナダ(AC)はもちろん、日本航空(JL)、NWなど全体の枠を広げ、規制緩和が料金設定に反映される方向を目指すことが重要。もう一つは在京のB.C、アルバータ、オンタリオ、ケベック各州の観光局と緊密な協力体制をとることが大切」と強調した。
 なお、今回開催されたサスカチュワン州でRVCが開かれたことをきっかけに、日本人には認知が低いカナダ大平原の魅力を日本の人々にも知って欲しいとも付け加えた。

<写真>上向き傾向の日本マーケットについて語るサイモン・ピット氏