デスティネーション・スペシャリスト、6月から講座が開講へ

  • 2005年4月20日
 日本旅行業協会(JATA)は全国旅行業協会(ANTA)、日本派遣添乗員協会(TCSA)と共同して進めるトラベル・カウンセラー制度において、デスティネーション・スペシャリスト(D/S)の詳細を固めた。D/Sは昨年から開始したトラベル・コーディネーター(T/C)の上部に当たる業界独自の資格。認定を受けることで、名刺にスペシャリストであることの記載、各国政府観光局サイトでの紹介など、専門家として一定のアピールが可能となる。また、各観光局から直接、現地の情報が定期的に送付される予定だ。
 D/Sは当初、T/Cの取得を経た上での受講となっていたが、設立当初の3年間については特別措置を講じる。総合旅行業務取扱管理者(旧:一般旅行業務取扱主任者)については、T/C認定がなくても受講できるように「飛び級」を実施する。受講の受付期間は5月1日から31日まで、講座は6月から。受講に掛かる費用は、受講料が1万5000円(3団体の非会員:1万8000円)、試験料7000円、認定料1万5000円だ。

 資格取得にあたり、講座の受講や認定試験の受験、および現地での経験を経ることが必要。対象となるデスティネーションは19ヶ国・地域で、これを基本として12講座を設置している。講座、および認定試験の受験はインターネットを利用したeラーニングで講座は約5ヶ月の期間、試験は今年度については11月と来年3月に予定している。なお、10月から新たに数ヶ国・地域を加え、今年度は20講座の開設を目指し、問題作成などの準備ができたデスティネーションから段階的に開設していく。
 なお、講座の受講から認定までは3段階。講座は、日本人の需要に比例して内容の幅があるものの、1講座あたり300問程度から500問程度を受講期間中に出題。定期的な出題に解答をし、解説を理解するドリル方式の学習。利用する教材は各観光局の日本語、および英語ホームページ、セールスマニュアル、市販のガイドブックなどで、修了試験で知識の到達度を確認。第2段階は認定試験の受験。試験では100問を60分で回答することとなっており、幅広い知識と同時に特定の事柄に関する深い知識を求める。合格した場合は現地での研修等もある。第3段階は認定の授与となり、名刺に貼るロゴ、ウェブでのリストに掲載するといった流れになる。

▽対象国、講座(順不同)
(1)スペイン・ポルトガル、(2)ドイツ、(3)ハンガリー・チェコ、(4)オランダ・ベルギー、(5)スカンジナビア(スウェーデン、ノルウエー、デンマーク)、(6)トルコ、(7)香港・マカオ、(8)オーストラリア、(9)ニュージーランド、(10)アメリカ本土、(11)ハワイ、(12)グアム・マリアナ(テニアン・サイパン・ロタを含む)