NSW、暮らすような時間をコンセプトに02年の33万人を目指す

  • 2005年4月20日
 ニュー・サウス・ウェールズ州(NSW)政府観光局は今年、「暮らすような時間」をコンセプトとして、プロモーションを展開する。これは、FIT化が進行する中で、シドニーに住む人々と同じように、自ら郊外へ旅する日本人が増加している傾向を踏まえ、積極的にアピールするもの。FAMツアーに参加した旅行会社のスタッフの2人に1人が「住んでみたい」との感想も反映した。オーストラリアへの日本人訪問者数は2004年が71万400人で、このうちNSWへの訪問者は03年比で10.4%増の延べ30万人だ。NSW政府観光局日本局長の寺本洸氏は「2002年の33万6000人レベルにまで近づけたい」と語り、増加する個人旅行向けツアーを拡充する必要性を強調。「ホールセール商品を利用する3分の2の旅客がホテル、航空券、および現地で自由行動のスケルトンタイプのパッケージを利用」と寺本氏は個人旅行の傾向が顕著に表れていることに言及。今月末にはオーストラリア各州のドライブルートや情報を盛り込んだドライブガイドが完成する予定で、これを活用してFIT市場に対応する。そのほか、シドニーの文化、季節ごとのイベントなども打ち出して、個人での旅行の多様なニーズに応える。
 また、教育旅行では、「ナンバーワンのデスティネーション」として、昨年のオーストラリアを訪れた176校のうち約6割がシドニーを訪問している現状を報告。教育旅行に関しても、近郊の豊富なアクティビティを取り入れ、質の高い滞在を提供できることをアピール。ただし、「ハネムーン市場は減少している。シドニー、ゴールドコーストのツアーパターンが減っている」と最近の顕著な動向を語った。