モルディブ、日本で初のセミナー開催、安全性強調で早期回復を目指す

  • 2005年4月6日
 モルディブ観光省が主催する日本で初めての旅行業界向けセミナーがこのほど開催され、スマトラ島沖地震・津波後の安全性をアピールした。モルディブ観光省副大臣のモハメド・サイード氏は「2004年は過去最高となる、前年比11%増の4万7000人の日本人が訪れたが、スマトラ島沖地震・津波の発生で日本マーケットは落ち込み、回復が遅い」と現状を報告。1月、2月の日本人訪問者は前年比75.6%減であったことから、「メインのターゲットであるヨーロッパ・マーケットが回復し、営業している約70のホテルの平均稼働率は71%」と説明。モルディブ観光省が各リゾートと短時間で連絡を取り合えるなど緊急時の体制の構築など、スマトラ島沖地震・津波の教訓を活かした取り組みを推進していることを紹介した。
 また、ダイビング目的でモルディブを訪れる日本人が多いが、マーケットが回復しない現状を受け、ダイビング・オペレーション会社は、「モルディブ周辺の海は津波前に戻っている」と述べ、「被害を受けたダイビング・スポットもあるが、その場所を外してツアーを催行している」などとして、ダイバーに満足のいく体験ができることを強調。旅行会社に対して、現地の最新情報をお客に伝達してもらうよう呼びかけた。
 そのほか、現地のインフラ整備も進行中。スマトラ島沖地震・津波のハード面の復興作業が進んでいる現状に加え、アイランド・アヴィエイションはラヴィヤニ環礁内に空港開発を構想しており、今年9月に着工、2006年10月には完成する予定だ。南北環礁以外を訪れる旅行客はこれまで、マーレで1泊することが多かったが、新空港は夜間の離発着と同時に緊急時の離発着ができるなどのハード面の拡充も進んでいる。
 日本旅行業協会(JATA)事務局次長の米谷寛美氏は、来日したモルディブ観光関連者に対し、「ハード面が回復していることは国土交通省が派遣した調査団の結果からも分かっている。日本人は安全、安心、衛生面に敏感。それだけに、日本の旅行業関係者に対し、継続的な現地情報の提供して頂きたい」と述べ、更なるソフト面の強化を求めた。