子ども買春防止のコードプロジェクト発足、予防・認知で大きな効果が期待

  • 2005年3月13日
 日本旅行業協会(JATA)、日本海外ツアーオペレーター協会、ジェイティービーなど旅行会社60社(JTBはグループで130社を含む)が14日、子ども買春防止のための旅行・観光業界倫理行動規範(コードプロジェクト)に署名した。日本の旅行業界が署名したことで世界では18ヶ国となり、また、これまでの58団体、企業を大きく上回る規模となった。署名式典で長年にわたり活動を続けてきた日本ユニセフ大使のアグネス・チャン氏は「一番パートナーとなって欲しい人たちと手を組むうれしい日。日本は大きな希望の光となる」と今回の署名を評価した。また、高松宮妃殿下もこれまでの活動の経緯を踏まえ、「旅行業界と多くの企業がこぞって参画したことに意味がある。世界での影響力の高い日本の旅行業界の取り組みで子どもポルノの影響は減っていく」と語り、「今回の署名を期に社会全体の問題意識の高まりに向けた一歩」と意義を語る。これを受け、JATA会長の新町光示氏は、「調印を経て、旅行業界の責任とこれから果たす使命の重要さを感じる」とし、「観光は平和産業で、その大きな使命は人々の交流と幸福に貢献すること。こうした使命を業界挙げて取り組む」と決意を示した。
 今回の署名は法的に順守することではなく、あくまでも企業活動における行動範疇における約束事。このため、重きを置くところが子どもの買春からの保護、予防の意味合いが強い。特に予防的な側面については今後、業界内のスタッフの教育、旅行会社の送客時における啓蒙活動での効果が期待される。日本人観光客が訪れる現地への経済波及効果が高い観光産業が、こうした規範を高く掲げることにより、現地社会で「闇の部分」とされる買春行為を否定することで、経済的損失と天秤にかけあらたな取り組みを始めることが期待されている。コードプロジェクト運営委員会事務局のカメリア・テルベス氏は「1社の行動規範の署名でも、取引する多くの会社へ影響が期待され、近い将来、現地の会社との契約書に(子ども買春は)『NO』の条文を入れることで、先の広がりがある」と言う。
 なお、3月14日の日本におけるコードプロジェクト発足時の参加企業は下記の通り。

▽コードプロジェクト(順不同)
日本旅行/日本通運/近畿日本ツーリスト/東急観光/パシフィックツアーシステムズ/エヌオーイー/阪急交通社/名鉄観光サービス/ジェイティービー/読売旅行/内外航空サービス/ジャルパック/西武トラベル/アサヒトラベルインターナショナル/沖縄ツーリスト/東北海外観光/ワールド航空サービス/グローバルユースビューロー/アロハセブン/西鉄旅行/海外旅行開発/ジャパングレイス/アンビ・ア/長野トラベル/ジャルツアーズ/二十一世紀旅行/エヌ・ティ・ティ・トラベルサービス/フジ・トラベル・サービス/農協観光/ミキ・ツーリスト/郵船トラベル/京浜企画インターナショナル/西東京観光/エーペックスインターナショナル/パシフィック観光/ジャルトラベル西日本/常盤交通自動車/エムオーツーリスト/世界紀行/クロノスツアー・ウエスト/ANAセールス/ジャルトラベル北海道/ジョルダン/メトロポリタン/京阪交通社/琉海観光/アディレクト/ケービーエフ/インテル/日旅中部エンタプライズ/ジェイシーイー中国旅行/太陽トラベル/ニツコー厚産/クルーズバケーション/地球の歩き方トラベルアンドエデュケーション/エアプラスインターナショナル/リージェンシー・グループ/エムオーツーリスト・シー・アイ・エス・ロシアセンター/タビニ/メルカードツアー
(なお、JTBはグループ138社が対象)