成田、1月の旅客動向も各路線とも強含み、中国線は供給を大きく上回る

  • 2005年2月25日
 成田国際空港によると、1月の路線別旅客数は中国線が30%増(発着回数:11%増)で便数を大きく上回る伸びを示しており、以下、韓国線の16%増(同:+0%増)、オセアニア線の12%増(同:5%増)、欧州線の10%増(同:2%増)、グアム線の4%増(同:2%増)、太平洋線の4%増(同:7%増)、東南アジア線の3%増(同:4%増)となった。全路線とも供給増を上回る旅客の伸びを示しており、ロードファクターへの好影響も期待されるところ。中でも、中国線は春節が今月にずれ込んでおり、2月19日現在の速報値で9.9%増、特に17日から19日は順に34%増、21%増、18%増と全旅客の伸びにも好影響を与えており、引き続き需要は強含みに推移している。
 ただし、航空機の発着だけでなく、旅客需要の伸びについても処理能力も限界に近づいており、成田空港会社も問題意識を持っている。だが、一部の報道のように発着枠のねん出については、課題解決の先決順位として、平行滑走路問題の解決が第一であることを強調。3月末までに国土交通大臣に本来計画である用地買収の経過報告を求められており、仮に好ましくない場合として北伸案の社内的な準備を個別に進めている。この上で年間20万回の発着枠の中で技術的な検討を国交省と進める考えだ。
 また、新規の乗り入れ、既存航空会社ともにネックとなる着陸料だが、年間の収入が現在、前年比5%増で推移しており、経常利益も200億円後半になる見通しもあり、こうした業績も踏まえながら着陸料の下げ幅を提案する方向のようだ。中長期、短期と課題を明確にして対応する問題意識を持ち、解決することが、差し迫る需要の限界への対策としては早道だろう。