関空、暦年の発着回数は過去最高も旅客は回復まであと一歩、鍵は国内線?

  • 2005年2月8日
 関西国際空港によると、暦年の国際線旅客便の発着回数は前年比17%増の7万1125回となり、これまでの記録であった2000年の6万9737回を回数で1388回増となった。また、旅客は前年比7%増の1510万7231人、このうち国際線は26%増の1079万2359人、国内線は22%減の431万4872人。旅客全体は過去最高の2000年の2049万1333人には届いておらず、過去の最高値から比較すると国際線では約200万人、国際線は約400万人が減少している。
 関西国際空港副社長の平野忠邦氏は旅客の回復が遅れている状況について、2つの理由を指摘する。まず、発着回数が伸びながらも、欧米線に比べ中国線の路線が多く、小型機材の利用が多いこと。そして、新規路線のロードファクターは定着が進んでいないことから、一般的に低いことを挙げる。ただし、こうした状況も徐々に解消する見込みとして、最近の中国路線は開設当初に比べ、旅客に伸びが見られるとして、「今年には過去最高に迫る」との見通しを示す。これは夏スケジュールが週700便を超える見通しで、過去最高は確実となる見込みにあり、今後の日中航空交渉次第ではさらなる中国線の増便も期待できることが挙げられる。
 課題は国内線の拡充。3月から就航するスカイマークエアラインズ(BC)には国内線関空往復便割引の50%割引、関空単独路線割引の40%割引などで最大94%の着陸料の割引が適用されるが、日本航空(JL)、全日空(NH)にも路線ごとに70%程度の営業割引で地方路線の拡充を目指す。特に伊丹空港からのシフト分については往復25便分のうち、20便程度は誘致したい意向で、既に10便は4月ダイヤから実現。そのほかに、大阪府をはじめ経済団体等が新規就航奨励金の交付を検討するなど、国際線、国内線ともに路線の拡充に務める。