ANAグ、中期経営戦略を策定、利益拡大・財務体質改善の鍵は国際線

  • 2005年2月1日
 ANAグループは2005年度から2007年度の中期経営戦略を策定した。旅客・貨物輸送を中核とするサービス提供においては「クオリティ」、「顧客満足」、「価値創造」の3つでアジアを代表する企業グループを目指すグループ経営ビジョンの実現に向けた戦略。この数年の不安定な状況において、2003年度の復配、今年度は国際線で初の黒字化を視野に変動リスクに強い体質へと変貌する環境において、今後の利益拡大を進める成長戦略、財務体質の改善を盛り込んだ。
 この中で、需要の予測として国際線は欧米が現状維持、アジアで2%増、中国で5%増を想定。国内線は横ばいが続くと予想する。こうした見通しを基に国際線は大型機でボーイングB777型機へと集約する。北米路線では既に打ち出す「北米B777化計画」として新機材を投入し、収益力を強化するほか、新社長就任を予定する山元峯生氏が明らかにしているシカゴ線をはじめとし復便、新規就航を検討する。また、スターアライアンス戦略としては2006年の成田第1旅客ターミナルの移転を機に、接続性、旅客利便の向上を図る。
 こうした計画を基に連結営業収入は2004年度見通し1兆2810億円、連結営業利益700億円とし、2007年度に連結営業収入1兆3700億円、連結営業利益900億円を目標とする。なお、中期経営戦略上の目標等は下記の通り。

▽中期経営戦略
<2004年度見通/2005年度目標/2006年度目標/2007年度目標>
連結営業収入/1兆2810億円/1兆3000億円/1兆3400億円/1兆3700億円
連結営業利益/700億円/700億円/800億円/900億円
連結経常利益/610億円/420億円/550億円/600億円
連結当期利益/250億円/170億円/250億円/310億円
生産量座席キロ(内際計・前年比)/2%減/増減なし/4%増/4%増
生産量座席キロ(国内・前年比)/4%減/増減なし/増減なし/1%増
生産量座席キロ(国際・前年比)/3%増/増減なし/13%増/10%増