成田、旅客需要強含みの推移も空港運用厳しく、打開策の取りくみ前向き

  • 2005年1月27日
 成田国際空港によると、12月の旅客動向は前年比で中国線が17%増、韓国線8%増、グアム線7%増、東南アジア線6%増となり、太平洋線は2%減、欧州線3%減、オセアニア線8%減であった。速報値で12月の発着回数も1万5936回で単月として過去最高、航空旅客も258万3536人と12月として過去最高を記録している。また、1月22日現在の航空各社の出発旅客のみの概算値では前年比12%増と旅客需要は概ね強含みで推移し、好調さをうかがわせる。
 ただし、成田国際空港常務取締役の上子道雄氏はこうした状況について、「これからの空港運用は厳しい」と航空機の発着だけでなく、旅客需要の伸びについても処理能力も限界に近づいている考えを示した。成田空港の2本の滑走路の発着枠についてA滑走路は98%、B滑走路は86%を使用しているのが現状。解決策は、(1)滑走路の2500メートル化の実現で大型機材の受入れを可能とすること、(2)発着回数を現在の年20万回から年22万回へと拡大すること。2500メートル化は先ごろ、社長の黒野氏が進捗状況を国土交通大臣に報告し、3月までに目処を着けるよう指示を受けたところ。発着回数についても経営計画において22万回化の実現を目指していることから、2500メートル化の実現とあわせて地元の理解を図りながら進めたい考えだ。
 先日の日中航空交渉の席上で、成田の枠を確保できないことが交渉の先送りの要因となったが、上子氏も「ラブ・コールに応えられないことは、国益だけでなく、会社の成長にも影響がある」とし、増大する航空・旅客需要に応える前向きな姿勢を示した。