国交省、来年度予算と合わせ、民間の活用で次期国会に新法案の上程を検討

  • 2004年8月26日
 国土交通省は来年度の観光関係予算において、「観光ルネサンス事業」(仮称)を観光部門、都市・地域整備局と連携し、13億300万円を新規事業として要求している。この事業はビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)事業において一定の訪日外国人訪問者の伸びを見せる現状のなか、リピーターの獲得を目指し、ハード/ソフトの両面から観光地の活性化を目指すもの。国交省はこの予算で、地方自治体と民間が共同で展開する事業を側面支援する。想定としては年間、10程度の地域を指定し、成功事例として各地の観光地作りの手本として育てていく考え。骨子となるのは(1)観光地の活性化に取り組む民間組織を市町村が「観光地域振興機構(仮称:エリア・ツーリズム・エージェンシー/ATA)」として指定、(2)一定地域内で有償の通訳ガイドを行える新免許制度の創設など。
 特に、ATAについては観光振興を進める上で、観光資源として評価があり、かつ個人・法人が所有しながら活用されない施設の利用を狙う。このため、特例措置を検討。所得税および法人税において、譲渡所得の特別控除、不動産所得税の5分の1を控除、固定資産税・都市計画税を5年間は半額とするATA税制を創設したい考え。こうした民間の活力を国の予算で助成することから、法律の制度で支援することが適正として、次期国会に法案を提出する。
 ただし、こうした観光に関する支援の法案化はリゾート法の悪い先例もある。国交省では「総合保養地域整備法(通称:リゾート法)は広域を含む展開であり、誤った展開があったことは把握する。しかし、今回はATAという拠点を支援することで、将来的に広がりを持てば良い」と悪例とは一線を画すようだ。