週末特集、一流シェフが教えるホテルならではのクッキング・スクール

  • 2005年3月3日
 ホテル滞在の楽しみの一つが食事。最近では食事だけでなく、洗練されたシェフによるクッキング・スクールを実施するホテルが増えている。ホテルとしては一流技術によって作り出す料理だけでなく、そのノウハウも商品になることに気が付いたということだろうが、これは、現在の旅に求められる付加価値のキーワードである「体験、学習」に合致する。クッキング・スクールは学習意欲の高い熟年・シニアの女性や、料理に関心のある母娘旅行に適しているだけでなく、インセンティブ旅行での趣向の変わったイベントとしても最適だ。

▽17年の実績がある「ザ・オリエンタル」
 マンダリン・オリエンタル・ホテル・グループの「ザ・オリエンタル・バンコク」は、ホテルが実施するクッキング・スクールの老舗。クッキング・スクールを開始したのは1986年。世界各国からの宿泊客にタイ料理を伝えたいと思ったのが、開催したきっかけだ。名称は「ザ・オリエンタル・タイ・クッキング・スクール」で、月曜日から土曜日まで、曜日ごとにスープやカレー、グリル料理やデザートなどの作り方を教える。料金は1人1クラス120米ドル。他に5泊6日の宿泊パッケージもある。パッケージには月から木曜のスクール参加費や5泊6日のスーペリアルームの宿泊料、空港からホテルまでのリムジン送迎、ウェルカム・ディナーなどを含み、シングルが1600米ドル、ダブルが2200米ドル(税・サ込み)。マンダリンでは同ホテルでの成功を受け、2004年末にオープンする「マンダリン・オリエンタル・ダラ・デヴィ・チェンマイ」でも、クッキング・スクールを実施する予定だ。

▽もてなしの方法も教えるフォーシーズンズ
 フォーシーズンズ・ホテル&リゾートでもバリのジンバランベイ、チェンマイ、モルディブのプロパティでクッキング・スクールを実施。中でも「フォーシーズンズ・リゾート・バリ・アット・ジンバランベイ」は、バリ料理や地元のハーブを用いたヘルシー料理などの調理法だけでなく、バリ式のおもてなし方法も教えるなど、ユニークなクラスを用意している。
 同リゾートでは6泊の宿泊とクッキング・スクールをセットにした「ディズカバー・ザ・リファインド・アート・オブ・アジアン・キュイジーヌ」パッケージを設定。ヴィラの宿泊と朝食(2人分)とメイン・ダイニングでの3コースディナー(2人分)、クッキング・スクール4回受講(1人分)などが含まれて、1泊583.33米ドルからになっている。

▽無料で楽しめるアウトリガー
 今までのスクールは全て有料だったが、「アウトリガー・リーフ・フィジー」が行うクッキング・スクールは滞在客は無料で参加できる。同ホテルでは宿泊客向けのアクティビティとしてクッキング・スクールを開催。無料とはいえ、魚の刺身とココナッツミルクを混ぜた「ココナンダ」や、サラダ、デザートなど約4品のフィジーのローカル料理の作り方を教える本格的なもので、レシピも配布。日頃なかなかかぶる機会のないシェフ帽や、ホテルのオリジナル・エプロンを身に付けて参加できるのもうれしい点だ。エプロンや帽子は記念として持ち帰ることも可能。毎晩、客室に配布するホテル案内「The Bula Bugle」に、翌日のアクティビティなどを紹介するので、それでスクールの開催が分かるようになっている。