GVB、中長期的にイメージ向上へプロモ展開、受け入れでも整備を進める

  • 2004年1月31日
 グアム政府観光局(GVB)は中長期的な観点で、グアムのイメージ向上を図る方針だ。GVB日本代表の原晴一氏がこのほど、語ったもの。GVBは年末年始に東京、大阪、名古屋で集中的に展開したテレビCMを基に、旅行会社の店頭ポスターや全国のイオン店舗での電飾広告で新しいイメージの定着に努める。
 プロモーション方針の転換の背景には、グアムは利便性が高く、低価格で行く事の出来るデスティネーションであると消費者に理解が浸透していることが挙げられる。GVBでは性別、年代別、趣向別での調査を実施し、グアムの利点を掴んだものの、欠点としてチャモロ文化の理解度、ショッピング以外のアクティビティの理解が低いこと、高級感のあるものが少ないことから、新たな方針を決定した。
 GVB営業部長の光森裕二氏は「この10年間は台風やテロ、SARSなどが相次ぎ、リカバリーのためのプロモーションに追われすぎた。グアム本来の良さを忘れかけたかもしれない」という。その上で、「競合するデスティネーションと差別化を打ち出すには、新たなブランドイメージの構築は不可欠。さらに、他のデスティネーションに上回るイメージが必要」と語る。

▽グアムの受け入れ態勢の改良も積極的
 プロモーション以外に、現地での施策も重視する。プロモーションではグアムの象徴としてタモンビーチを位置付けることから、周辺の景観整備を進めている。具体的には、サン・ビトレス・ロード(通称:ホテル・ロード)の電柱の地下化、および景観配慮のため遊歩道を設置。第1期工事は終了し、第2期工事は8月を目途に終了する予定だ。
 第2に、グアム文化の浸透を図るため、GVBはカルチャーセンターを設置し、伝統文化の承継者を講師として各ホテルの担当者に工芸などを伝える。第3にチャモロの食文化を気軽に堪能できるようにグアム・ホテル・レストラン協会に働きかけ、メニュー内に1品はチャモロ料理を入れるように働きかける。また、チャモロ・フード・コンテストも予定する。さらに、KIOSK(案内所)を設置して観光情報の提供や、海のアクティビティの案内などを行うという。

▽地方からの集客のため、各地で旅行会社向けのセミナー開催
 グアムは地方からの集客も重要。特に修学旅行では愛知県の県立高校が昨年、新潟県の私立高校が今年の実施、また北海道では計画中の学校が数校あるという。このような地方での活発な動きを支援することを目的に、札幌で2月6日に旅行会社を対象とするセミナーを開催。仙台では3月3日、福岡では3月9日に実施の予定だ。このうち、仙台と福岡のセミナーではチャモロ・フードの提供も検討している。これにより、イメージ向上を図ると共に、集客増の働きかけを行うとしている。

 なお、2004年の日本人訪問者数は85万人が目標。2000年の訪問者数である約105万人をこの数年で超えることが中期的な展望だ。GVBが各旅行会社から得た情報では、TVコマーシャルの好印象もあり、2月は前年の3倍程度の予約があるという。既にゴールデンウィークの予約が入っている会社もあり、「この時期にGWの予約が入る動向は2000年以来」と旅行者の増加に期待感を示している。