南ア、来年から日本人訪問者数7%増が目標、民主化10周年で記念行事も

  • 2003年11月19日
 南アフリカ観光局(SAT)は日本人訪問者数を2004年から、年間7%増を目標として活動する−。これはSATの最高マーケティング責任者のテンバ・クマロ氏、STAアジア・豪州地域統括本部長のゾレルワ・ムコゾ氏が来日し、10月からSTA日本・韓国地区代表に着任したンディピュエ・ンチェリ氏と共に今後の日本からの観光客の増加に向けた方針、施策を明らかにしたもの。南アフリカ共和国は2003年にSATが作成した観光成長戦略を承認し、観光客の増加を国家的戦略として掲げている。この背景には、世界全体の観光業が苦境を迎えている中、長距離便を利用する観光客が過去2年間で20%の増加を示していることが挙がる。日本人訪問者数は2002年が前年比6.6%増の2万6239人、2003年はSARSの影響から0.8%増と微増に留まる予想だが、南アフリカの認知度向上を図ると共に、旅行会社との戦略的パートナーシップを構築することで7%増を達成したい意向だ。

▽SATの観光の成長戦略
 クマロ氏はこの成長戦略として「レジャー目的の観光客の増加は最重要課題。同時にMICEをはじめとするビジネス関連の旅行、イベントの開催やサッカーW杯の誘致などスポーツの祭典で南アフリカへの観光を促進する」ほか、「南アフリカのイメージの構築が重要」と語り、今後は意欲的に活動することを表明した。観光客の増加に対し、現在実施する施策は日本市場での消費者の調査。この結果は12月中旬に公表する予定だが、現段階では消費者にも旅行業界にもさらに南アフリカに対する認知度を高めたい意向だ。このため、旅行会社に現地を訪れてもらうほか、南アフリカを販売した場合のインセンティブ・プログラムや著名人を親善大使に任命するなど、各種のプログラムを用意している。さらに、クマロ氏は「サウスアフリカン航空(SA)、キャセイパシフィック航空(CX)などに南アフリカへの供給量、便数の増加を要望すると共にこれまで販売に尽力した旅行会社だけでなく、新たに旅行会社との協力関係も築きたい」とした。
 日本を重要なマーケットと位置付けることから、南アにおける日本人向けのサービスレベルの向上も懸案事項。これに関しては、「南アのツアー・ガイドを日本で研修を実施し、日本語の勉強をすると共に日本を好きになってもらうことで、日本人観光客が満足するサービスを提供する」(クマロ氏)という案も披露した。また、既に日本語のホームページを日本人の好みに合わせた内容を盛り込んだものを準備していることも明らかにした。

▽2004年に民主化10周年で記念行事を開催へ
 なお、2004年は民主化から10周年を迎えることから、日本においても在日南アフリカ共和国大使館と共同で様々な記念行事の開催を予定する。プロモーションでは「10」にちなみ、南アフリカでしかできない「10の体験」、「10の写真」、「10の思い出」等々をテーマに企画を計画中だ。