JTB-BTS、来年1月末に芙蓉航空サービス買収、先を見据えた決定か

  • 2003年11月18日
 JTBビジネストラベルソリューションズ(JTB-BTS)は芙蓉航空サービスの事業、および従業員約130名を平成16年1月末日に引き継ぐことで基本合意に達した。これにより、両社は正式に協議を開始する。なお、芙蓉航空サービスは本社を含む3店舗に関しては清算を行う予定。今回の決定に関して芙蓉航空サービスは、「(同社の強みである)ビジネストラベル(BTM)におけるグローバル化、IT化の進展に対して単独での投資に耐えうるため、顧客の利便性を考えた先を見据えた判断」としている。芙蓉航空サービスは1968年に設立し、企業の出張手配等を中心とするビジネストラベルを主に取扱う。2002年度の取扱額は前年同額の167億6505万1000円、今年度上期は前年比16.2%減の76億2842万4000円であった。
 JTB-BTSは2001年1月にカールソン・ワゴンリー・トラベルと合弁での事業を開始、BTMでの事業規模の拡大を図っていた。2001年度は272億円、2002年度は400億円の売上であり、2003年度上期の取扱額は前年比11.9%減の188億1453万2000円である。JTBでは2004年度は芙蓉航空サービスとの合併により550億円の売上を見込んでおり、2008年度には1000億円の売上を目指す。
 現在、BTMは航空券の取扱、ホテルの客室の大量仕入れ、および多国間の移動も含めた手配などコミッションだけでなく予約、コンサルティング機能を重視し、出張全体の包括手配を大規模に行う事業を展開している。日本でのビジネストラベル関連の需要は約1兆円規模で、このうち3000億円程度がBTM事業として取扱うことの出来る需要。現在、JTB-BTSが約400億円、日本旅行・アメリカンエクスプレスが約206億円(2002年1月〜12月)と続いているが、「コスト削減効果による効率性が発揮されるには約1000億円程度の売上規模が必要」(業界関係者)と言われる。このことから、JTB-BTSでは2008年度の1000億円の売上目標を掲げ、早期にBTM分野で効率性を確立したい意向だ。