リッツ、COOサイモン・クーパー氏が来日、今後の日本市場の動向を語る

  • 2003年10月29日
 ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーの社長兼最高経営責任者のサイモン・クーパー氏が来日し、今後の日本市場の動向や日本への進出の見通しなどを語った。サイモン氏をはじめとするリッツの経営陣はイラク戦争やSARSによる需要減退を受け、従業員の激励や消費者、およびメディア向けイベントの開催による信頼回復に力を注いだ。現在は日本市場で人気の高いデスティネーション別の稼働率はカパルアが約75%、カンクンが70%超、ニューヨークの2軒が80%超、バリが79%、香港が88%、シンガポールが約75%、上海が80%と回復に向けて推移している。これに伴い、クーパー氏によると「リッツ全体での日本人の予約は北米を除く国際市場における割合が12%から18%、また20%にまで高まっている」という。
 今後の日本市場はFITや小グループの女性とシニア層の需要増を期待する。既にリッツはゴルフやスパの施設を設置して消費者のニーズにハード面で対応するほか、ホテルの質感においても伝統的なヨーロッパスタイルの趣のザ・リッツ・カールトン・ボストン、カジュアルな服装でも上品さを保つザ・リッツ・カールトン・バチェラー・ガルチ(コロラド州)と2つのスタイルを確立する。さらに、リッツの東京予約センターの予約動向ではゴルフやスパなどひとつの目的に絞る宿泊客と様々な目的を持つ宿泊客と二分化の傾向にあるものの、需要は戻り、シニア層はアジア圏を始めとする近いデスティネーションを中心に伸びてきている。
 東京の進出に関しては、一部で報道されているものの、クーパー氏は「最終決定に至っているわけではない」としたものの、「三井不動産と契約の交渉は継続しており、東京での展開には意欲的である」と語った。