NW、副社長フィリップ・ハーン氏、アライアンスとハブ機能の強化を重視

  • 2003年10月28日
 ノースウエスト航空(NW)国際事業・営業・情報システム担当執行副社長のフィリップ・ハーン氏が来日、現在の状況や新たに導入するビジネスクラスのサービスの概要、今後の展望などを語った。NWは2003年第3四半期(7月〜9月)に4200万ドルの純利益を計上しているものの、旅客収入の減少を貨物収入の増加で補っており、旅客の需要は依然として厳しい。特に、ハーン氏の見解では、「旅客需要は(イラク戦争やSARSの影響による旅客需要が減少した時期と比較して)前年増に近づいているが、まだ弱含みの状態」とする。このため、NWの方針としてハーン氏は、「KLMオランダ航空(KL)とのアライアンス、コンチネンタル航空(CO)およびデルタ航空(CO)とのマーケティング提携をはじめとする他の航空会社との連携、東京やデトロイト、アムステルダムなどのハブ機能を強化することが打開策の一つ」との考えを示した。また、10月26日から就航した成田/名古屋/サイパン線を代表例として、「便数を減少するのではなく、小型機材を利用することで変動する顧客の需要に対応する」ことの重要性も強調した。

 NWは2004年半ばまでにアジア・太平洋地域にエアバスA330-200型機を順次導入し、燃費の向上によるコスト削減、および効率化を追及すると共に、フライトはこれまでより静かになることからサービスの向上につなげることを狙う。さらに、A330型機、ボーイング747-400型機においてビジネスクラスのサービスを展開する。まず、リクライニング角度が176度のフラット・シートを導入する。これはシートピッチが60インチ(約150センチメートル)、シート幅は20.25インチ(約51センチ)とアメリカ大手航空会社の中でもゆとりのある設計とした。この他、ビジネスクラスの機内食も顧客調査に基づき一新し、和食を含む4種類とし、顧客満足度の向上を狙う。
 なお、ハーン氏はKLMオランダ航空(KL)とエールフランス(AF)の経営統合に関して、「KLとのアライアンスは変わらない。現在の段階では2004年4月に経営を統合することに暫定合意の段階と認識している」とし、「スカイチームへの加盟はKLと共同で話し合いを進める」と語った。