海外旅行ECはどうなる?アルキカタ・ドット・コムに聞く
今週は先週に引き続き、旅行業界のEC(電子商取引)、特に海外旅行を考えて
みます。設立5周年をこの11月に迎えるアルキカタ・ドット・コムは2002年度
に初めて黒字化を達成し、旅行ECサイトの中でも注目が集まるサイトの一つ。
仕入・販売部部長の阿部吾郎氏に現在の旅行業界とEC旅行サイトについて聞い
てみた。
−この5年間、EC旅行サイトとして最も大きく変わったことは何ですか。
阿部氏:設立当初はヨーロッパ方面を主力として売れ筋商品を作ることを考え
ました。ただし、インターネットの特性は日本全国どこからでもアクセスが
可能です。そこで、多品種少量販売の形態を採り、成田だけでなく、関空、
札幌、仙台、名古屋、広島、福岡と地方7都市発の航空券を取扱っておりま
す。アルキカタの取扱う割合は成田が7割、地方が3割です。
国際線が成田に集中する話題が業界にはありますが、弊社にとって地方の
30%以上の取扱いは重要です。ここが店舗とインターネットでの大きな違い
となります。弊社は東京以外に大阪に事務所を設置しておりますが、この2
つの事務所で北海道から九州まで7都市発の路線を取り扱い、効率的な運営
を行うことが可能であることはインターネットの最大の利点であり、この5
年間にこの強みを生かすことができました。
−イラク戦争やSARSなど需要の低下の影響と回復具合を教えて下さい。
阿部氏:結果的に見ると、想像より影響は軽微でした。確かに、アジア方面は
伸び悩みました。その分、オセアニアやハワイなどの動きが弊社では堅調で
あったことが幸いしました。また、アジア方面の回復も恐らく中小企業の方
々を中心に香港、中国へ戻られていました。
例年、弊社は9月にピークを迎えており、今年9月は単月で最高の売上を記
録しました。10月は2001年以降、消費者の動きは変化しており、9.11事件を
思い起こしてしまうのか、価格が落ちる時期であることから様々なサイトに
出る料金を比較するのか「待ち」の傾向にあり、間際化の傾向は鮮明です。た
だし、12月の動きは堅調です。現時点の予約は昨年の同時期と同じ、また、
やや上回っている状況です。今年度は当初50億円の売上げを目標としており
ましたが、修正した目標は40億円です。
−5年目ということでキャンペーンを実施するそうですが。
阿部氏:はい。11月1日から来年1月9日までの期間、ホームページ上で8つのイ
ベントを開催します。目玉商品はソウル5000円、ロサンゼルス1万円という
激安航空券を用意し、期間中に4度の抽選を行い、当選者にお買い求めいた
だきます。また、「地球の歩き方」の表紙からどの都市のガイドブックかを当
ててもらうクイズを実施します。これは、ちょっとした旅行気分を味わって
いただくことも考えています。地球の歩き方編集部とアルキカタ・ドット・
コムのスタッフが出題する海外旅行スーパークイズも実施します。これは期
間中に2回実施し、合計60問全問正解した方に抽選で航空券とホテルクーポ
ンのセットを差し上げます。ガイドブックを愛読する読者の方が、私たちに
挑戦する心理を擽ることが出来るのではないかと考えています。
−ガイドブック「地球の歩き方」との連携はいっそう強化する方向ですか。
阿部氏:今回のキャンペーンでも「地球の歩き方」との連携は重視しています。
弊社の設立当初からFIT層を主力のお客様として、無店舗で全国展開を図り、
「地球の歩き方」のブランド・イメージを保ち、相乗効果を計るという3つの
柱を中心に営業活動を行ってきました。今後もこの方針に変わりなく、イン
ターネット上でも情報サイトと販売サイトとして連携を強化したいと思いま
す。
これに加え、5周年キャンペーンの目的と一致することですが、より広く
「アルキカタ・ドット・コム」サイトの知名度向上を図ることで、FIT層の旅行
者に魅力的な商品を提供したいと考えています。9月25日に旅行業第1種を取
得しましたので、今後はパッケージ商品の販売に力を注ぎたいと考えていま
す。弊社の基本方針は変えることは無いので、航空券とホテルを組み合わせ
たパッケージが大半となるでしょう。
−今後の旅行ECサイトの予測と御社の目標をお聞かせください。
阿部氏:インターネットから海外旅行を購入する消費者の需要は着実に増加し
ます。現在の動きは、当社の設立当初に比べれば絞られてきた感はあります
が、各社の競争はいっそう激しくなると思います。アルキカタも旅行ECサイ
トとして地位を確立するために、まだ打たなければならない手は多く山積し
ています。特に、まだ地方発の便を取扱う余地がありますので、全国での集
客を目指すと共に、航空券とパッケージ商品それぞれを豊富な品揃えを実現
したいと考えていますので、チャレンジが続くということでしょうか。
−ありがとうございました。
▽アルキカタ・ドット・コムの仕入・販売部部長の阿部吾郎氏
http://www.travel-vision-jp.com
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みます。設立5周年をこの11月に迎えるアルキカタ・ドット・コムは2002年度
に初めて黒字化を達成し、旅行ECサイトの中でも注目が集まるサイトの一つ。
仕入・販売部部長の阿部吾郎氏に現在の旅行業界とEC旅行サイトについて聞い
てみた。
−この5年間、EC旅行サイトとして最も大きく変わったことは何ですか。
阿部氏:設立当初はヨーロッパ方面を主力として売れ筋商品を作ることを考え
ました。ただし、インターネットの特性は日本全国どこからでもアクセスが
可能です。そこで、多品種少量販売の形態を採り、成田だけでなく、関空、
札幌、仙台、名古屋、広島、福岡と地方7都市発の航空券を取扱っておりま
す。アルキカタの取扱う割合は成田が7割、地方が3割です。
国際線が成田に集中する話題が業界にはありますが、弊社にとって地方の
30%以上の取扱いは重要です。ここが店舗とインターネットでの大きな違い
となります。弊社は東京以外に大阪に事務所を設置しておりますが、この2
つの事務所で北海道から九州まで7都市発の路線を取り扱い、効率的な運営
を行うことが可能であることはインターネットの最大の利点であり、この5
年間にこの強みを生かすことができました。
−イラク戦争やSARSなど需要の低下の影響と回復具合を教えて下さい。
阿部氏:結果的に見ると、想像より影響は軽微でした。確かに、アジア方面は
伸び悩みました。その分、オセアニアやハワイなどの動きが弊社では堅調で
あったことが幸いしました。また、アジア方面の回復も恐らく中小企業の方
々を中心に香港、中国へ戻られていました。
例年、弊社は9月にピークを迎えており、今年9月は単月で最高の売上を記
録しました。10月は2001年以降、消費者の動きは変化しており、9.11事件を
思い起こしてしまうのか、価格が落ちる時期であることから様々なサイトに
出る料金を比較するのか「待ち」の傾向にあり、間際化の傾向は鮮明です。た
だし、12月の動きは堅調です。現時点の予約は昨年の同時期と同じ、また、
やや上回っている状況です。今年度は当初50億円の売上げを目標としており
ましたが、修正した目標は40億円です。
−5年目ということでキャンペーンを実施するそうですが。
阿部氏:はい。11月1日から来年1月9日までの期間、ホームページ上で8つのイ
ベントを開催します。目玉商品はソウル5000円、ロサンゼルス1万円という
激安航空券を用意し、期間中に4度の抽選を行い、当選者にお買い求めいた
だきます。また、「地球の歩き方」の表紙からどの都市のガイドブックかを当
ててもらうクイズを実施します。これは、ちょっとした旅行気分を味わって
いただくことも考えています。地球の歩き方編集部とアルキカタ・ドット・
コムのスタッフが出題する海外旅行スーパークイズも実施します。これは期
間中に2回実施し、合計60問全問正解した方に抽選で航空券とホテルクーポ
ンのセットを差し上げます。ガイドブックを愛読する読者の方が、私たちに
挑戦する心理を擽ることが出来るのではないかと考えています。
−ガイドブック「地球の歩き方」との連携はいっそう強化する方向ですか。
阿部氏:今回のキャンペーンでも「地球の歩き方」との連携は重視しています。
弊社の設立当初からFIT層を主力のお客様として、無店舗で全国展開を図り、
「地球の歩き方」のブランド・イメージを保ち、相乗効果を計るという3つの
柱を中心に営業活動を行ってきました。今後もこの方針に変わりなく、イン
ターネット上でも情報サイトと販売サイトとして連携を強化したいと思いま
す。
これに加え、5周年キャンペーンの目的と一致することですが、より広く
「アルキカタ・ドット・コム」サイトの知名度向上を図ることで、FIT層の旅行
者に魅力的な商品を提供したいと考えています。9月25日に旅行業第1種を取
得しましたので、今後はパッケージ商品の販売に力を注ぎたいと考えていま
す。弊社の基本方針は変えることは無いので、航空券とホテルを組み合わせ
たパッケージが大半となるでしょう。
−今後の旅行ECサイトの予測と御社の目標をお聞かせください。
阿部氏:インターネットから海外旅行を購入する消費者の需要は着実に増加し
ます。現在の動きは、当社の設立当初に比べれば絞られてきた感はあります
が、各社の競争はいっそう激しくなると思います。アルキカタも旅行ECサイ
トとして地位を確立するために、まだ打たなければならない手は多く山積し
ています。特に、まだ地方発の便を取扱う余地がありますので、全国での集
客を目指すと共に、航空券とパッケージ商品それぞれを豊富な品揃えを実現
したいと考えていますので、チャレンジが続くということでしょうか。
−ありがとうございました。
▽アルキカタ・ドット・コムの仕入・販売部部長の阿部吾郎氏
http://www.travel-vision-jp.com
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