フォーシーズンズ、リテーラーとの取引もこれまで以上に重視

  • 2003年7月31日
 フォーシーズンズ・ホテル・アンド・リゾートは、世界各地に展開するホテルの総支配人が来日したのに伴い、各プロパティの動向と今後の方針に関する会見を行った。SARSにより需要が低迷したアジア地区だが、フォーシーズンズ・ホテル・上海の総支配人ピーター・ウエーバー氏によれば、「日本を含めた世界各地からのビジネス客はすでに戻り始めている」という。さらに「9月には前年並みに回復し、10月はSARS前の稼働率90%に近い予約を受けている」と上海の現況を説明した。また、今後の戦略として日本地区統括部長の小林宏明氏は、「ハネムーン、熟年層、母娘旅行への訴求を高める」として、女性誌をはじめとする雑誌や月刊誌「Seven Seas(セブンシーズ)」などでの露出を高めること、クレジットカード会社との提携を強化し、ゴールド会員以上に配布する機関紙へ掲載するホテル滞在プランを設定する。また、リテーラーからGDS等で予約を受けるケースも増えつつあることから、「ホールセーラーへの協力と共に、リテーラーとの取引もこれまで以上に重視する」意向だ。
 また、バリは爆破事件やSARS禍の影響で日本人宿泊者が減少していたが、
「ここにきて徐々に回復が顕著に表れ、ジンバラン、サヤンにあるプロパティともそれぞれ通常の35%、40%に近いシェアになってきた」(フォーシーズンズ・リゾーツ・バリのセールス・マネージャーの鹿野貴裕氏)という。今後は、主力のハネムーナーだけでなく、グループ旅行を取り込みを狙う。特に、3世代旅行や4人から6人くらいの小グループ旅行などに対応できる部屋の問い合わせが多いことから、3ベッド、4ベットルームを用意するジンバラン・エステートを利用して、別荘感覚での利用促進を図る。なお、3ベッドルームの場合は3000米ドルとなっており、旅行会社のコミッションは10%となっている。