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コスタリカ、エコツーリズムを推進、旅慣れた熟年層を誘致

  • 2002年9月10日
 コスタリカ共和国政府観光協会(ICT)の投資促進専門官メルチョール・マルコス氏がこのほど来日、同国駐日大使館と国際連合工業開発機関東京投資・技術移転促進事務所が開催した「コスタリカ観光セミナー」で、同国の観光の魅力と現状を語った。同国は自然保護政策を行なっており、国土の4分の1を国立公園または自然保護区に指定している。地形的に東西を太平洋とカリブ海に挟まれ、中央に活火山や山岳が点在し、森林地帯には学術的にもユニークな動植物が多く存在する。特に鳥類は手塚治虫氏の「火の鳥」のモデルになった「ケッツアール」など世界の鳥類の10%に及ぶ850種類が生息している。そのため、同国は自然保護と観光の双方を促進させるエコツーリズムの草分け的存在で、昨年はトレッキングやバードウオッチングなどを目的に2000年比4%増の約113万人の観光客が訪れた。
 しかし、北米、欧州からの観光客がほとんどでアジアからの来訪者は少なく、日本人観光客は5244人と全体の5%に満たない状況だ。そこでICTでは日本市場向けのプロモーションを強化する。プレスツアーやファムツアーを実施するほか、日本語のポスターやパンフレットを作成して一般消費者にアピールする。また、旅行会社向けには一定人数の送客増加を条件にプロモーション費用のシェアなどの支援を行なう予定だ。マルコス氏は「コスタリカを訪れる日本人観光客は45歳以上の海外旅行の経験者が多い。今後も新しいデスティネーションを求めている熟年カップルをターゲットに、エコツーリズムをプロモーションしたい」と意欲を語った。