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旅行者は「最安値」から「納得」重視へ、スカイスキャナーが行動変化を分析 AI活用の動向も

検討期間も長期化、「約3カ月前」から比較

 旅行者は予約前の比較にも時間をかけている。

 スカイスキャナーによる検索から出発までの平均リードタイムは、日帰り旅行で66日前、1週間以内で69日前、1~2週間で80日前、2週間~1カ月では90日前、1カ月以上で86日前だった。同社は「旅行者は『行かない』のではなく、データで納得できる選択肢を探し、ムダなく満足度の高い旅を組み立てる方向」にあると分析する。

 岡田氏も、「納得して選ぶ」ことは必ずしも「高くても買う」ことを意味しないと強調。「自分に合う条件がそろうまで、時間をかけてじっくり探して決めること」と説明した。価格が一定以上下落した際に通知する機能なども使いながら、価格と条件の両方を見極める行動が広がるとの見方を示した。

スカイスキャナージャパンの岡田健太郎氏

 小島氏も、旅行者は「こだわりたい部分」と「お金をかけなくてもいい部分」を使い分けているとの認識を示している。

JAL、「比較される市場」でブランド選好を高める

 旅行者の比較行動が定着するなか、航空会社にとってメタサーチ上での存在感も重要になっている。

 JALは、日頃から同社便を利用する顧客だけでなく、条件によって航空会社を使い分ける層が多いと認識。スカイスキャナーなど比較サイトでフライトを選択肢に入れてもらい、ブランド認知や選好度を高める取り組みを進めている。スカイスキャナーとの連携を「他社併用層に向けた認知度・選好度の向上施策」と位置付けた。

AIで旅行検索の入口が変わる

 もう一つの大きなテーマが生成AIだ。

 スカイスキャナーの調査では、旅行者の49%が「AI情報の正確性」に不安を感じている。同社は、旅行は高額な購買であるため、「信頼できる情報をもとに自分で納得して決めたい」という心理が強いと分析。AIが何を根拠に提案しているのかという透明性が重要になるとする。

 岡田氏は、大規模言語モデルの強みを「対話やアイデア出し」とする一方、リアルタイムで正確な旅行データへのアクセスにはなお課題があると指摘した。そのため、AIによってメタサーチが置き換えられるのではなく、「旅を探す新しい入口が増えた」とみる。AIの対話性と、メタサーチが持つリアルタイムの価格データを組み合わせることに可能性を見いだしている。

 同社はChatGPTを通じて会話形式で航空券を検索できるサービスも展開しており、岡田氏によれば現在56カ国で提供している。旅行者の比較・検討行動が変化するなか、AIとリアルタイムデータをどう組み合わせ、納得感のある旅行選択につなげるかが今後の焦点となりそうだ。