Trip.com調査、日本企業の出張管理に「見えないコスト」 管理外予約の背景に商品不足も
Trip.comは、法人向け出張管理サービス「Trip.Biz」のビジネストラベルデータと、世界の出張意思決定者1700人を対象とした調査結果を発表した。このうち日本企業の回答者は187人。日本では出張量が安定する一方、予約から請求・精算までを横断して把握できていない企業が多く、出張管理に伴う「見えないコスト」が課題になっているという。
日本企業の回答者の71.7%は、2025年の出張量について前年と「ほぼ同水準」と回答した。出張予算についても61.5%が「安定している」とした。TMC(トラベルマネジメント会社)とOBT(オンライン予約ツール)を併用する企業は58.8%に達し、一定の出張管理基盤は整っている。
一方、航空券、ホテル、現地交通、変更・キャンセル、請求、精算などを含む出張全体の80%以上を管理できている企業は10%にとどまった。予約金額と請求金額の差異が発生している企業は65.8%で、承認済みプラットフォーム外の予約について、照合作業に月6時間以上を費やしている企業も45.5%あった。
管理外予約が生じる背景も、単純な価格志向や規定違反だけではない。管理外で予約する理由として最も多かったのは「希望する航空券・ホテルが見つからない」の54.5%。「価格が安いから」は12.7%、「インターフェースが使いにくい」は7.3%だった。
この結果は、企業の出張管理で利用率を高めるには、ポリシーや承認フローの整備だけでなく、利用者が必要とする航空券やホテルなどの選択肢を予約チャネル内で確保することが重要であることを示している。TMCや法人向け予約サービスにとっては、コンテンツの幅や在庫の確保が、管理外予約を抑えるうえで一段と重要になりそうだ。
契約効果の把握にも課題がある。交渉済みの航空券・ホテル契約による効果を「測定できない」とした日本企業は16.0%で、グローバル平均の5.1%を上回った。Trip.comは、予約、変更、請求、精算、契約などのデータが分断された状態では、コスト削減効果の検証やAIを利用した分析にもつなげにくいとして、出張データを横断的に管理する必要性を指摘している。
世界ではブレジャー拡大、出張後の個人旅行30%増
グローバルのTrip.Biz利用データでは、出張とレジャーを組み合わせる「ブレジャー」の広がりもみられた。
企業出張での金曜日のホテルチェックイン数は前年比26%増加。出張直後の0~1日以内に個人的な予定を追加した予約は30%増え、出張後7日以内の個人旅行予約も25%増加した。
出張後7日以内に個人的な滞在を追加した旅行者は平均3.4泊を追加しており、出張直後に滞在を延長した旅行者の60%は出張時と同じホテルを利用していた。
都市別では、2026年1月1日~6月25日のTrip.Bizのホテル予約データで、シンガポールが企業によるホテル予約数で首位となり、前年比30%増。ソウルでは平日のホテル宿泊予約が67%増、金曜日のチェックインが54%増えた。ロンドンでも平日宿泊が42%、金曜日のチェックインが37%増加した。
ベトナムのバクニンでは企業によるホテル予約数が前年比341%増加し、7泊以上の予約は818%増、週末を含む予約は425%増となった。
企業出張が仕事だけで完結せず、個人旅行と連続するケースが増えれば、TMCや旅行会社には企業ポリシーに沿った業務渡航部分の管理に加え、延泊や個人負担分をどう切り分け、手配するかという対応も求められる。法人旅行の管理高度化と旅行者の利便性をいかに両立するかが、今後のビジネストラベル市場の一つの焦点となりそうだ。

