日本人海外旅行、回復に世代差 20代女性はコロナ前水準に接近
JTBは8月17日、日本人海外旅行市場の実態をまとめた「JTB海外旅行レポート2026 日本市場における海外旅行のすべて」を発行した。2025年の海外旅行者数は1473万2000人で前年比13.3%増となったものの、コロナ禍前の2019年比では73.4%の水準にとどまった。市場全体の回復が道半ばにある一方、20代女性ではコロナ前に近い水準まで需要が戻るなど、性年代による回復度合いの差が鮮明になっている。
2025年の人口に対する海外旅行者数(延べ人数)の比率である出国率は12.0%。なかでも20代女性は34.0%と、他の性年代を大きく上回った。20代後半女性の出国者数は2019年とほぼ同数まで回復した一方、20~50代男性では回復の遅れが続いている。JTBは、海外旅行需要が旺盛な20代女性が日本人の海外旅行市場を牽引していると分析する。
一方、旅行費用の上昇に対しては、若年男性に特徴的な行動がみられた。2026年の「海外旅行志向調査」によると、30歳未満の男性は費用が高くても当初の計画のまま旅行する割合が低く、「行程を短くする」「同じ旅行先で安く行ける日程を探す」「予算内の海外旅行先を選ぶ」といった形で、旅行計画を柔軟に変更する傾向が強かった。全体でも、女性より男性、年代が高い層より若年層の方が、価格上昇に対応しながら海外旅行を実施する傾向がみられた。
旅行費用の上昇圧力は2026年も続いている。JTBが7月に発表した夏休みの旅行動向では、海外旅行の平均予定費用を前年比6.3%増の32万3000円と推計。一方、海外旅行者数は同8.8%減の217万人としており、旅行費用の高さや国際情勢、旅行時期の分散などが影響するとみている。旅行者が近距離方面や比較的費用を抑えやすい旅行先を選ぶ動きもみられ、価格上昇下での「旅行の組み替え」は今後の商品造成・販売を考える上でも重要なテーマとなりそうだ。
「JTB海外旅行レポート」は1988年から発行しており、今回が39回目。JTB総合研究所が独自のアンケート調査や関係機関の統計資料をもとに、日本人海外旅行市場の構造や旅行者動向を分析している。


