HIS、株主優待を大幅拡充 最大300万株の自己株式取得も実施
エイチ・アイ・エス(HIS)は2026年7月31日、株主優待制度の拡充と、上限25億円の自己株式取得を決定した。優待制度では保有株数の区分を3段階から5段階に増やし、通常優待の年間上限を従来の1万2000円から10万円に引き上げる。旅行代金に応じた優待券の利用区分も9段階へ広げ、100万円以上の高額旅行商品には最大12%の割引枠を設定する。
新制度は、2026年10月31日時点の株主名簿に記載または記録された株主から適用する。通常優待は年2回で、500~999株は年間1万円、1000~2999株は2万円、3000~4999株は6万円、5000株以上は10万円となる。制度改定に伴い、同基準日の株主には保有株数にかかわらず、今回限りの特別優待券3000円分も配布する。一方、100~499株の通常優待は年間4000円から2000円へ減額されるが、初年度は特別優待を含めて計5000円となる。
優待券の有効期限は1年から3年に延長する。旅行代金1人当たり1万円以上から利用できるようにし、50万円未満までは最大10%、100万円以上の価格帯には最大12%の割引枠を設ける。200万円以上の旅行商品では、最大24万円分の優待券を利用できる。高額な海外旅行やクルーズ、周遊型商品などでも優待を活用しやすくなり、販売面では単価の高い商品への需要喚起につながる可能性がある。
利用対象は、HISやクオリタ、クルーズプラネット、欧州エキスプレスなどが扱う国内・海外旅行商品に加え、HISホテルホールディングスが運営する3ホテルや、沖縄・国際通りの土産店「KID HOUSE」6店舗などへ拡大する。HIS Mobileでは、海外Wi-Fiレンタル料の50%割引や海外eSIMプランの10%割引など、株主向け特典を設ける。旅行予約だけでなく、宿泊、通信、現地消費までグループ内の利用機会を広げる狙いだ。
2026年10月31日を起点として3年以上継続保有した株主には、年1回3000円分の長期保有優待を新設。初回の権利確定は2029年10月31日を予定する。1000株以上の株主を対象に、ホテル試泊会や飲食事業の試食会、限定ツアーなどの特別企画も不定期で実施する計画だ。
あわせてHISは、普通株式300万株、取得総額25億円を上限とする自己株式取得を決議した。上限株数は自己株式を除く発行済み株式総数の4.01%に相当する。取得期間は2026年8月4日から9月30日までで、東京証券取引所で市場買い付けを行う。株主還元の充実と資本効率の向上に加え、経営環境の変化に対応する機動的な資本政策を目的としている。

