ANAとIHG、ロイヤリティ連携を強化 市場縮小見据え海外需要獲得へ
(左から)IHG ホテルズ&リゾーツ ヘザー・バルズリー氏、全日本空輸 大前圭司氏
ANAとIHGホテルズ&リゾーツは、ロイヤリティプログラムを軸とした包括的パートナーシップを発表した。約20年にわたる協業関係を進化させ、航空とホテルの垣根を越えた顧客体験の創出を目指す取り組みとなる。
提携の中核は、2026年10月以降に開始する3つの施策。1つ目はステイタスマッチで、ANAマイレージクラブの会員に対しIHGワンリワーズの対応ステータスを付与する仕組みだ。これにより、IHGホテルでの客室アップグレードやレイトチェックアウトなどの優待が利用可能となり、航空利用者の宿泊体験を底上げする。
2つ目は「ダブルディップ」で、対象となる海外発のANA国際線利用時に、従来のANAマイルに加えIHGワンリワーズポイントも同時に積算できる。フライトと宿泊で分断されていたロイヤリティの蓄積を一本化し、1度のフライトで旅の価値を最大化する取り組みとなる。
3つ目はマイルとポイントの相互交換で、従来の一方向に加え双方向での交換を可能とする。これにより、利用者は旅行目的に応じて柔軟にマイルとポイントを使い分けることができ、両プログラムの回遊性向上が期待される。
市場縮小を見据え海外展開を加速
ANAの大前圭司取締役執行役員は、「約20年にわたり築いてきたパートナーシップを戦略的なステージへと進化させる」と述べ、「海外市場におけるプレゼンス強化と国際線事業拡大に向けた重要な施策」と強調した。
さらに、「日本のマーケットは人口等の関係からシュリンクしていく」との認識を示した上で、「日本の航空会社がさらなる成長を目指すには海外のお客様にもっと利用いただく必要がある」と言及し、「今回の取り組みは象徴的な大きな一手」と位置付けた。
IHGのヘザー・バルズリー チーフ・コマーシャル・マーケティング・オフィサーは、「これは単なる商業的な提携ではない」と述べ、「旅行者を中心に、計画から到着までシームレスな体験を提供する」と説明した。また日本市場について「最も重要な市場の一つ」とし、提携を通じて顧客接点の拡大とロイヤリティ強化を図る考えを示した。
ANAは中期経営戦略で国際線事業を成長の柱に据えており、IHGのグローバルなホテル網と会員基盤を活用することで海外需要の取り込みを加速する構えだ。一方のIHGにとっても、日本市場での展開拡大と会員価値向上につながる施策であり、双方の戦略が合致した形となる。
