観光庁、サステナブル旅アワード大賞地域を視察 高付加価値層向け商品化へ議論

  • 2026年4月14日

 観光庁は、サステナブルな旅アワード大賞受賞商品「カイニョお手入れツアー~次世代へ紡ぐ、散居村保全と循環型社会の再生~」の舞台となる富山県西部・砺波エリアを視察し、旅行会社とともに高付加価値型ツアーの造成に向けた議論を進めた。散居村の環境保全を核とした体験型商品は、インバウンドも視野に入れた展開が期待される。

 同ツアーは、砺波平野に広がる散居村の屋敷林「カイニョ」の剪定体験と、剪定枝を活用したアロマオイルの抽出・商品化を組み合わせた循環型プログラムが特徴。地域資源の保全と観光体験を両立させた内容で、海外からのリピーターも生まれている。受け入れ規模の制約から大量集客型ではなく、高付加価値層向け商品の展開を志向しており、今回の視察では同市場に強みを持つ旅行会社との連携が図られた。

 視察では、アズマダチと呼ばれる伝統的農家建築を活用した食体験や、棟方志功ゆかりの寺院、民藝文化に触れるプログラム、さらに古民家宿泊施設などを巡り、地域文化の厚みを体感した。加えて、散居村の景観を歩いて体験することで、単なる景観観賞にとどまらない滞在型コンテンツとしての可能性が共有された。

 議論では、散居村の景観そのものに加え、民藝や浄土真宗文化、井波彫刻などの文化的背景を前面に打ち出すことで、より深みのある商品造成が可能との認識で一致した。また、砺波単体ではなく、高山や白川郷、立山など周辺観光地との広域周遊に組み込むことで、旅程全体の付加価値向上が見込めるとの指摘もあった。

 一方で、宿泊施設の客室数やハード面の競争力、商品説明の難易度といった課題も共有された。今後はこれらの整理を進めながら、具体的な商品化に向けた検討を継続する方針だ。