FITUR 2026、来場者25万人超で閉幕 -世界観光の回復基調を象徴、次回パートナーカントリーはプエルトリコ
スペイン・マドリードで開催された国際観光見本市「FITUR 2026」が、5日間の日程を終え閉幕した。主催者の発表によると、会期中の来場者数は25万5000人を超え、前年を上回る水準を記録。世界観光産業の回復基調を象徴する結果となった。
プロフェッショナル向けに設定された平日には、15万5000人が来場。国際来場者数は前年比12%増となり、国際出展者数の11%増と歩調を合わせた。週末の一般公開日には、10万人の旅行者が訪れ、BtoBとBtoCの双方で高い集客力を示した。
FITUR 2026会場内で来場者の注目を集めた、パートナーカントリー・メキシコを象徴するシーン
出展規模も過去最大級となり、161カ国から1万社以上が参加。そのうち111カ国は公式出展としてブースを構え、主要出展者数は967社にのぼった。FITUR 2026がマドリードにもたらした経済効果は約5億500万ユーロとされ、3700人以上の雇用維持にも貢献した。地域経済にとっても、最重要級の国際イベントであることが改めて裏付けられた形だ。
今回のFITURは、世界観光産業の回復と成長を背景に2026年をスタートさせた点でも象徴的な開催となった。国連世界観光機関(UN Tourism)によると、2025年の世界の国際観光客数は15億人を突破。スペインも9700万人の外国人観光客を迎えたとされており、国際移動の本格回復が数字としても表れている。
最近発生した鉄道事故の犠牲者への哀悼の意を示し、弔問簿に署名されるスペイン国王・王妃両陛下
第46回目となる今回は、開幕初日に鉄道事故の犠牲者を悼む黙祷が行われるなど、観光産業としての連帯を示す場面もあった。公式開会式ではスペイン国王・王妃両陛下が臨席し、各国の観光行政関係者や要人による70件以上の公式訪問が行われるなど、制度的・政治的な存在感も際立った。
展示内容の面では、9つの展示ホールを舞台に、各国・地域、企業、機関が新たな商品や戦略、プロジェクトを発表。特にプロフェッショナルデーに展開された「Knowledge Hub」では、8会場・200超のセッションが実施され、テクノロジー、イノベーション、人材、サステナビリティといったテーマを軸に、観光産業の未来像が議論された。
今回のパートナーカントリー、メキシコのブース
また、アクセシブルツーリズムを推進する「FITUR 4all」、クルーズやブルーツーリズムに焦点を当てた「FITUR Cruises」、新設の「FITUR Experience」をはじめ、LGBT+、女性活躍、スポーツ、映像、テック分野など、多様な専門セクションが来場者の関心を集めた。
パートナーカントリーにはメキシコが選ばれ、文化・観光資源を前面に打ち出した大規模展示で存在感を示した。主催者はすでに、次回FITUR 2027の準備を開始しており、次回のパートナーカントリーはプエルトリコとなる予定だ。
FITUR 2026は、単なる展示会にとどまらず、国際的なビジネス創出、政策対話、知見共有の場として、世界観光産業におけるハブ機能を改めて示す開催となった。



