精算は競争領域ではない──インテージテクノスフィアが語る旅行業界精算プラットフォーム構想
竹原 旅行会社ごとに精算方式や請求書の形式が異なるため、施設側はその都度対応を変える必要があります。一方、旅行会社側も紙やPDFで届く請求書を目視で確認し、自社の販売データと突き合わせる作業が発生しています。こうした確認作業が積み重なり、大きな工数になっています。
発売精算と着札精算が混在している点も、業務を複雑にしている要因です。発売精算は、旅行会社が販売・発券情報を基に支払額を確定する方式である一方、着札精算は、宿泊施設や観光施設などのサプライヤーが実際の利用実績を基に請求を行います。この2つの方式が併存することで、サービス提供、請求、支払いの基準が一致せず、業界全体として統一的な仕組みを構築しにくい構造になってきました。こうした背景が、精算DXを難しくしてきたと考えています。
川島 はい、その通りです。精算業務は一度担当すると、その人でなければ分からない状態になりやすい業務です。担当者が異動や退職をすると業務が回らなくなるケースも少なくありません。だからこそ、標準化された仕組みが必要だと強く感じています。
百瀬 既存のi-traビリングサービスや共同発売精算システムで培ってきたノウハウを統合し、特定の企業に閉じない業界共通の精算基盤を構築する構想です。旅行会社とサプライヤーをn対nでつなぎ、精算ルールをできるだけ共通化することで、双方の業務負担を軽減することを目的としています。
百瀬 旅行会社から連携される販売データを基に、サプライヤーごとの条件や手数料、支払サイクルを自動管理できるようになります。精算状況の可視化に加え、振込データや精算明細の作成も効率化されます。
川島 さらに、着札精算にも対応します。サプライヤーから請求情報をデータで受け取り、自動照合することで、これまで目視で行っていた確認作業を最小限に抑えられます。アンマッチ部分だけを確認すればよくなる点は大きな効果だと考えています。





