複数ホテル滞在が世界で主流に、エクスペディアが「Unpack ’26」発表
エクスペディア・グループは16日、2026年の旅行トレンド「Unpack ’26」を公表した。世界18地域、2.4万人への調査と自社データに基づき、注目渡航先の台頭、スポーツ観戦の旅、リノベ宿ステイ、ホテルホッピング、ロケ地巡りの5潮流を示した。日本市場では沖縄の検索伸長と若年層の体験志向が際立つ結果となった。
注目渡航先は、米モンタナ州ビッグスカイ(検索増加率+92%)、沖縄(+71%)、伊サルデーニャ島(+63%)、ベトナム・フーコック島(+53%)、仏サヴォワ(+51%)、米フォートウォルトンビーチ(+45%)、カナダ・ユークルエレット(+44%)、英コッツウォルズ(+39%)、メキシコ サンミゲル・デ・アジェンデ(+30%)、豪ホバート(+25%)の10か所で、検索比較は2024年と2025年の年間データに基づく。このうちビッグスカイ、沖縄、サヴォワ、ユークルエレット、コッツウォルズ、ホバートは、旅行先の受入体制を評価する新指標「スマート・トラベル・ヘルスチェック」の認定を受けたとし、WTTCの考え方に基づきオーバーツーリズム軽減にも資するという。
体験ニーズでは「スポーツ観戦の旅」が浮上した。世界の57%が現地ならではのスポーツ観戦を希望し、Z世代・ミレニアルでは68%が相撲やムエタイなど、地域のスポーツを間近で見たいと回答した。 日本人の動機は「伝統や文化を学びたい」55%が最多で、「雰囲気やエネルギーを感じたい」51%、「自地域では見られない競技を観戦したい」51%が続いた。
宿泊トレンドでは、歴史建築を活かした「リノベ宿ステイ」への関心が拡大した。京都のザ・ホテル青龍(検索増加率+194%、元学校)、英ボドミン・ジェイル(+110%、元刑務所)、仏フォントヴローL’エルミタージュ(+71%、元修道院)、米ユニオンステーション(+57%、元駅)などが伸長した。
滞在スタイルの多様化では、ひとつの都市や島で複数のホテルに泊まる「ホテルホッピング」を世界の54%が希望した。理由は「多エリア観光のため」50%、「よりお得に泊まるため」35%が上位。 日本は「旅に変化とワクワク感を加えるため」が56%で世界最高となり、同潮流を体験価値で選ぶ傾向が強い。検討シーンは世界では都会滞在53%、リゾート島48%、日本は"グルメ旅行"が59%で最多だった。
映像作品の影響は引き続き大きく、ロケ地巡りは3年連続でトレンド入りした。関心が高まった人は世界で53%、Z世代・ミレニアルの81%が作品のロケ地をもとに旅行を計画している。日本では実際に予約経験がある人が49%に達し、行き先決定に影響するメディアは世界でSNSが最多49%、日本はテレビ番組46%と書籍26%が上位であった。

