北フランス、オー・ド・フランス地方が城・庭園・美術・食と多彩な魅力を関西万博の地でアピール

  • 2025年10月2日

 フランス観光開発機構は9月17日、賑わう大阪・関西万博のフランス館会場内でフランス北部「オー・ド・フランス地方」の来日記者発表会を開催。オー・ド・フランス地域圏議長グザヴィエ・ベルトラン氏をはじめ、オー・ド・フランス地方観光局らが来日し、同地域の多彩な魅力を紹介した。

オー・ド・フランス地方の観光団。多彩な観光の要素に加えて、フランスらしいライフスタイルとおもてなしの心もアピール。

 はじめにフランス観光開発機構日本およびASEAN代表のジャン=クリストフ・アラン氏は「オー・ド・フランス地方は、日本にも積極的に観光誘致を働きかけており成果が出てきている」と語り、城や大聖堂などの歴史遺産、マチスの出身地でありルーヴル分館を持つ美術の都、ビールや美食文化と多彩な魅力を持つと紹介。

 北フランスのオー・ド・フランス地方は、TGV(高速鉄道)でパリから1時間半、ブリュッセルから35分、ロンドンからユーロスターで1時間20分でアクセスができる。世界遺産の鐘楼や美しい建物が立ち並ぶグラン・プラスのある首都リール、世界遺産ノートルダム大聖堂があり、マクロン大統領の出身地であるアミアン、ルネサンス建築の城と格式ある競馬場があることで有名なシャンティイなどが主要な観光エリア。今回の観光プレゼンテーションでは、その他の美術・美食などの魅力にも触れながら、フランスらしい風景とライフスタイルをアピールした。

(上から)オー・ド・フランス地方観光局局長ジャン・フィリップ・ゴルド氏、ルーヴル・ランス美術館館長アナベル・テネーズ氏、ドメーヌ・ド・シャンティイ総合管理責任者アンヌ・ミレー氏

 オー・ド・フランス地方観光局局長ジャン・フィリップ・ゴルド氏は、前述のパリやベルギー、またロンドンからのアクセスもよく、昨年2024年のオー・ド・フランス地方における宿泊施設の延べ宿泊数は1600万泊であり、2022年との比較で12%増となった。1600万泊に占める国外旅行者の割合は26.2%。また、観光のポイントとして、大時計が印象的な世界遺産登録されたリールの鐘楼はじめ建築遺産の宝庫であることや美しい城の数々、炭鉱や繊維(レース)などの産業遺産なども紹介した。

 ルーヴル・ランス美術館館長アナベル・テネーズ氏は、年間150万人が訪れる世界に2つしかないルーヴル美術館の分館であり、ルーヴル・ランス美術館の設計が日本のSANAA(妹島和世氏と西島立衛氏による建築ユニット)だと紹介。紀元前からの作品を仕切りのないフロアに並べる「時のギャラリー」などユニークな展示にも触れた。

 またドメーヌ・ド・シャンティイ総合管理責任者アンヌ・ミレー氏は、フランス最後の国王の息子オーマル公アンリ=オルレアンからフランス学士院に譲られた豪華な城について説明。城館・庭園・大厩舎からなり、古典美術のコレクションや3つある庭園、日本人騎手も騎乗するレースが開かれるシャンティイ競馬場などに触れた。城館には日本語のオーディオガイドもある。

 上記3名は、会見後に単独インタビューにも応じ、さまざまな観光要素に加えて、地方都市だからこそのフランスらしい風景やライフスタイル、あたたかなおもてなしの心があることも旅行者にとって魅力だと語った。150ものビール醸造所を擁するガストロノミー、自然豊かで120もある庭園での散策、またアールデコ建築の元プールというピッシーヌ美術館、2024年秋に再オープンしたマティス美術館などもあり、滞在の楽しみは尽きないように感じられた。