兵庫五国郷土料理試食会を開催、兵庫の食文化を発信へ
旅館ホテルの調理人らが集い、兵庫県の食文化を発信しようと「兵庫五国郷土料理試食会」が9月16日、神戸市中央区の神戸市中央卸売市場本場で開かれた。地域に根付く郷土料理を昔ながらの調理法と、現代風のアレンジの料理で表現。新しい魅力を磨き、次代へ兵庫の食文化を伝えていこうという試みだ。
主催は、本紙コラム「大田料理長の味な話」でおなじみの大田忠道さんが会長を務める兵庫県日本調理技能士会。今回、兵庫五国郷土料理研究会を発足させ、「会では調理技術の向上へ日々切磋琢磨しており、今回その技術を駆使して兵庫県の食文化をアピールしたい」(武田利史さん=湯元こんぴら温泉華の湯紅梅亭料理長)と4月から今回の試食会に向け、料理を開発してきた。
兵庫県は旧国名で摂津、播磨、淡路、丹波、但馬の五国で形成。兵庫県出身で各地の旅館ホテルで活躍する調理人で構成する研究会メンバーが五国に分かれてチームをつくり、料理をつくり上げた。料理は各国の郷土料理を2種、新旧の調理法で仕上げた計4種を提供。摂津は明石蛸あんかけ丼、播磨は二色穴子そうめん、淡路は鯛素麺、丹波は「とふめし」、但馬は但馬牛の「じゃぶ」などの料理が並び、いずれも地元食材をふんだんに使い、和洋多彩なアレンジで創作したものばかり。懐かしさと新しい味わいの両面で地域の食文化を表現した。

和洋多彩なアレンジの料理が並んだ
当日は一般客や関係者のほか、同会が定期的に開催している子ども食堂の参加者らが訪れ、試食用の料理の折詰を持ち帰り、自宅で調理の技、兵庫の味を楽しんだ。会場内では瀬戸内海産のハモのつみれの実演、鍋料理も振る舞われ、子どもたちも賑やかに舌鼓を打っていた。

兵庫五国郷土料理試食会で
腕をふるった調理人の皆さんら
同研究会会長の山口和孝さん(桜の抄料理長)は「料理の根本は郷土料理。古きを見つめ新しいものを創造して発展していく」と趣旨を語り、兵庫県単位の今回の取り組みを発端に、来年度は全国の大会へ発展させていくとビジョンを示した。
情報提供:トラベルニュース