アメリカ、ホテルや物価、交通事情その1-MATCH 松宮英範氏
MATCHの松宮英範です。旅行会社に26年勤めた後、脱サラ・起業し、旅行業3種と宿泊施設のプロデュースをやっております。2回に分けて、最新アメリカ事情をお伝えします。
私の周囲では、最近やたらとアメリカへ旅する人が多い。それも皆、西海岸でロサンゼルスやサンフランシスコ周辺ばかり。観光中心の家族旅行も、経営者同士のビジネストリップも西海岸である。直行便が多く、フライト時間も耐えられる程度、大統領には歓迎してもらえるのか微妙だけれど表立っての戦争もないし、何より毎日、日本人の活躍がニュースで届くので自然と興味が身体に浸透してくるのだろうか。私が現地を訪ねたのが夏休み期間だったこともあり、実際、多くの日本人を見かけた。サッカーワールドカップ、オリンピックとビッグイベントが続くし、旅行会社時代の私なら、10コース位、ガンガン、新企画作って売り出すだろうな…。
まずは、気候からお伝えしましょう。訪れたのは8月中旬、ロサンゼルスも毎日、30度を超える暑さだが、吹く風がまるでクーラーの風のように涼しく、日影も爽やかで過ごしやすい。乾燥していると35度の陽ざしの中でも一滴の汗もかかず、実に快適。日本の厳しい暑さは湿度のせいだとわかっていても、こればっかりは体感しないとわからない。
次に訪れたサンフランシスコは、街の上空にかかる濃い霧のせいで、真夏でも最高気温20度程度、この時期で夜は15度まで下がり、寒くてダウンを来ている人も多い。ちなみに冬は霧も出ず、逆に温暖で夏とさほど変わらないそうで、1年中同じ服装でもOKという。大柄で暑がりのアメリカ人は、サンフランシスコを天国のような場所だと感じるらしいが、日本から来た私にもパラダイスであった。さらに摩訶不思議なのが、街から30分も郊外に出れば普通の夏になってしまうのだから、驚かない方がおかしい。霧に包まれ全貌が見えないゴールデンゲートブリッジを渡った先にある、瀟洒な町ソーサリトでは、完璧な青空が広がっていて真夏。1時間ほど郊外のナパバレーでも昼間はプールで泳げるほど暑くなる。まずはこの天候だけでも、大いに訪れるべきセールスポイントになる。
さて、LAXに着いた途端、爽やかさに包まれて気分がいいのだが、次に街へ行くにはどうしたらよいか。空港にはタクシーが1台もいない。シャトルバスと地下鉄でも行けるが、皆、ウーバーかリフトという配車アプリを利用している。たまに見かけるタクシー車両もウーバーに登録していてアプリで呼ばれただけ、というのが実態で、タクシーはほぼ消滅したようだ。ちなみに、ウーバーは日本でアプリ登録しておけば、アメリカでも日本語表示のまま簡単に使用できる。今まで何度も海外のタクシーで嫌な思いをしてきたが、事前の明朗会計クレカ精算は楽すぎて元バックパッカーには物足りないかも…?
ウーバーだと日本のタクシーより安価であると感じたが、物価は、メディアでも報道されている通り、かなり高め。特に高いのがレストランとエンタメ系。だいたい2倍の感覚である。円安だけでなく、アメリカ人にとっても10年前の2倍になっているらしく、現地の人に聞くと10万ドルの年収でも普通に暮らすのはギリギリとか。メジャーリーグは日本だったら5000円ほどで購入できる同じような席が、公式サイトで3万~5万、球場で生ビール飲んだら20ドル!日本の球場は、席に座ったままビールの売り子が、席まで運んでくれて900円なので、実にリーズナブル(これまで高いと思ってきたが)。
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