旅行計画にも生成AIが浸透、利用者の約8割が活用経験あり JTB総研調査

  • 2025年8月19日

 JTB総合研究所が19日に発表した調査によれば、生成AIは旅行者にとって「高度な情報検索ツール」であると同時に、「良き相談相手」や「信頼できる友人」となりつつある。旅行の行程作成、グルメ検索、混雑予測などへの期待が高まる一方、情報の正確性や依存リスクにも注意が求められる調査結果が示された。

 同社は、2025年7月16日から29日にかけて、過去1年以内に泊りがけの観光旅行を経験し、かつ週に複数回生成AIを利用する432名へのアンケート、および日常的に生成AIを使う29名へのインタビューを実施し、調査結果をまとめた。

 まず、旅行に関連して生成AIを活用した人は回答者の77.8%に上り、特に若年層では女性20代で89.3%、男性30代で85.7%と高い利用率が確認された。今後の活用希望内容としては、行程やルート提案、交通手段の検索・予約、グルメ情報の検索など実用的な項目が上位に並び、観光スポットの解説や混雑状況の予測にも関心が集まっていた。

 生成AIに対する認識では、「高度な情報検索ツール(32.2%)」が最多で、「良き相談相手(15.0%)」「信頼できる友人(10.4%)」と続く。女性20代ではさらに「恋人」や「ペット」的存在と捉える傾向があり、有料版利用者や男性20代では「自分の一部」と感じる傾向も見られた。

 利点としては「手間や時間の節約」「判断に迷った際の参考」「新しい気づきの提案」などがあり、逆に課題としては「情報が不正確な場合がある」「費用がかかる」「依存のリスク」といった声が多かった。インタビューでは、生成AIを「絶対になくてはならないパートナー」と評価する一方、「依存しすぎるのは注意」との慎重な声もあった。

 調査まとめでは、ChatGPT登場以降の数年間で生成AIは生活の一部となり、情報収集や作業効率化に留まらず、相談相手としての役割も担うようになったと指摘。ただし、リアルな人間同士の交流体験や信頼性の担保が今後一層重要になるという視点も示されている。