JAL、26年3月期1QはEBIT2倍超 航空・非航空ともに増収

  • 2025年7月31日

 JALグループは2026年3月期第1四半期(2025年4月〜6月)の連結業績を発表し、第1四半期として過去最高の利益を計上した。国際旅客やLCC、非航空事業の伸長が業績を押し上げた。

 第1四半期の売上収益は、航空・非航空の両事業で増収となり、前年比11.1%増の4710億円を記録した。燃油市況の低下と円高により燃油費は減少した一方、物価高などで営業費用は前年比7.2%増の4354億円となった。EBITは前年の2倍超の455億円、純利益は93.7%増の270億円となった。通期目標のEBIT2000億円、純利益1150億円に向けて好調な滑り出しとなっている。

 フルサービスキャリア事業では、国際旅客の回復と柔軟なレベニューマネジメントによる国内旅客の確保、貨物ネットワーク拡充により売上収益は3693億円(10.4%増)、EBITは307億円(288.3%増)となった。インバウンド需要が継続し、国際旅客数は11.7%増、旅客収入は11.4%増と大幅に増加。国内旅客も旅客数13.3%増、収入7.6%増と堅調に推移した。貨物は、国際線でのネットワーク強化や国内線でのヤマトとの共同事業が奏功し、収益を伸ばした。

 LCC事業では、インバウンド需要の取り込みに成功したZIPAIRや、中国大都市路線が堅調なSPRING JAPANの寄与により、売上収益は304億円(23.2%増)、EBITは42億円(91.9%増)と高成長を示した。

 非航空分野では、旅客数やJALカード決済額の増加に伴い、マイル・金融・コマース事業が売上収益497億円(7.9%増)、EBIT102億円(15.2%増)と安定的に拡大した。その他事業も堅調に推移し、グランドハンドリング受託事業が売上599億円(9.4%増)となった。

 今期は国際線の新規就航や運航拡大、A350-1000の導入、国内旅行商品の機能強化、「JALモバイル」など新サービスの開始、さらに金融領域の事業強化など、多角的な施策を展開。貨物分野では米KALITTA航空とのコードシェア開始や再生医療向けの新サービスも始動し、さらなる需要の取り込みを目指す。

 通期業績予想および配当予想については、5月時点で公表された数値(売上1兆9770億円、EBIT2000億円、純利益1150億円)に変更はない。